東北地方太平洋沖地震
震災の日本へ海外の団体からメッセージ
「がんばれ、日本」 韓国ハンギョレ新聞掲載のコラムより(抄訳)
イ・シジェ(韓国カトリック大学社会学教授、韓国環境運動連合(FoE韓国)共同代表)
私はいま研究のため北京にいますが、日本で発生した大震災、予断を許さない原発の状況について、インターネットやツィッターで流れる情報から目が離せません。
1900年以降、世界で4番目の規模となる大地震、巨大津波、原子力発電所での爆発は、人々に耐え難いストレスと恐怖を与えていることでしょう。何千もの遺体が発見され、最終的な死亡者数は予測がつかないほどです。通信手段の発達により、この計り知れない悲劇は、詳細に世界中に伝えられ、世界中の人々が日本の状況に注目しています。
最初、韓国国内には冷ややかな見方をする人がいました。「日本沈没」などの言葉で一面を飾り、国民感情を煽る新聞や、経済的恩恵を試算する新聞もありました。今でも多くの韓国人が、日本に対して敵意、警戒、敵対心といった感情を持ち続けているのです。
しかし今回の震災で異なるのは、このような国民感情に訴えかける振る舞いがインターネット上では起こっていないことです。「がんばれ」、「あきらめるな」と日本を励ます新聞や雑誌も多く見られ、様々な組織や個人による募金活動も行われています。
ツイッターでは、被災者の方々とともに悲しむことを望む声が上がっています。今回の日本での地震が、私たちの感性の根底を揺さぶっているのだと思います。人間の仲間に対する思いやりの心が、民族や階級、宗教を超えた人間本来の感情の奥深くに広がり、そしてそれが韓国人の心を揺さぶり、共感の絆を作り上げているようです。
今の私たちなら、東京の新宿区にある駅構内で酔って線路に落ちた人を救おうとわが身も省みず飛び込み、27歳で亡くなった韓国の若者の気持ちがわかるような気がします。私たちは全力で被災者に救助の手を差し伸べなければなりません。韓国人の支援と結束が日本人の心を動かすでしょう。そしてそれが私たちにも伝われば、両国民の心の奥深くに真の結束と協力の基盤が築かれます。民族や歴史上の問題はありますが、今回の震災の結果思いやりと結束を土台に新しい未来が開けることを心から願っています。