ストップ!再処理
パブコメ・セミナー 「六ケ所再処理工場」審査書案に意見を書こう
審査書案は6月12日までパブリックコメント(一般からの意見募集)にかけられています。
再処理工場は、全国の原発から集めた使用済み核燃料を硝酸で溶かしたうえで、プルトニウムとウランを回収する施設です。人が近づけないような高レベルの放射性廃液を出します。フル稼働すれば、年7トンのプルトニウムが生じます。しかし、すでにもんじゅは廃炉が決まり、「核燃料サイクル」は破綻しています。国際的にも日本のプルトニウム保有に厳しい目が注がれる中、百害あって一利なしの再処理工場。それでも稼働させるのでしょうか。
とても危険な六ケ所再処理工場について知り、審査書案に対するパブコメを書くためのオンラインセミナーを企画しました。
ぜひご参加ください。
>パブコメ提出はこちらから(電子政府e-Gov)
>FoE Japanでもパブコメを出しました。こちらをご参照ください。
<第1回>
2020年5月22日(金)15:30~17:00
テーマ:六ヶ所再処理工場のどこに問題があるのか?
ゲスト:山田清彦さん(核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団) >資料
<第2回>
2020年5月27日(水)15:30~17:00
テーマ:プルトニウムの臨界事故と日常的な放射能汚染
ゲスト:永田文夫さん(三陸の海を放射能から守る岩手の会) >資料
<第3回>
2020年6月3日(水)14:00~15:30
テーマ:プルサーマルと再処理
ゲスト:小山英之さん(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会)
>資料
<第4回>
2020年6月8日(月)14:00~15:30
テーマ:再処理の経済的社会的コストとその負担
ゲスト:大島堅一さん (龍谷大学政策学部教授)
>資料
<第5回>
2020年6月10日(水)14:00~15:30
テーマ:審査書案のポイント~火山と地震など
阪上武さん(原子力規制を監視する市民の会)
>資料
主催:原子力ををを監視する市民の会、FoE Japan
FoE Japanではセミナーを踏まえて以下のパブコメを提出しました。
<全般的意見> ・六ケ所再処理工場は深刻なトラブルが相次ぎ、24回も竣工が延期された。実際の核燃料を使ったアクティブ試験においても、白金族による目詰まり、レンガの落下、高レベル廃液の漏洩などが相次いだ。ガラス固化体にできず、危険な高レベル廃液がそのままに貯留されている。アクティブ試験の評価も行わず、稼働のための安全性審査をするのは本末転倒である。 ・六ケ所再処理工場の必要性はまったくない。もんじゅの廃炉も決まり、核燃料サイクルはすでに破綻している。使用済みMOX燃料の処分も見通しが立たないため、MOX燃料は使うべきではない。14兆円もの巨費を投ずべきではない。原子力規制委員会は審査を中止し、政府は一刻も早く再処理事業の撤退を決断すべき。 ・六ケ所再処理工場は必要性がないどころか、動かせば、プルトニウムを生み出す。日本は国際社会から保有するプルトニウムを減らすことを求められている。2018年7月31日付け原子力委員会決定「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」において、プルサーマルで使用する分しか運転しないとしているが、プルサーマルでどの程度使えるかも示されていない。しかもプルサーマルで使ったあとの使用済みMOX燃料の処分についても示されていない。 ・六ケ所再処理工場は、たいへん危険な施設である。現在も高レベル廃液が大量に貯留されており、稼働すれば、核燃料の裁断の段階から大量の放射性物質を出す。しかも後述するように、海中放出においては通常の原発に適用されている告示濃度限度(濃度規制)が適用されていない。 ・必要性もなく、危険な施設であるのにもかかわらず、また稼働もどの程度できるかわからない中、14兆円ともいわれる巨費が投じられようとしている。この費用は、再処理機構が各電力会社から使用済み核燃料に応じた拠出金を徴収し、日本原燃に委託の形でだされている。もともとは国民の電気料金である。 ・プルトニウムを増やせないため、また、各種トラブルが相次ぎ、再処理を進めることができないことがわかっているのにもかかわらず、日本原燃の経営を安定化させるために、上記のように各電力会社から「再処理」を前提とした拠出金を出させることは経済合理性に反する。 ・以上の諸点について、政府はしっかりと国民に説明し、再処理事業そのものについて、国民からの意見聴取を行うべきである。 <アクティブ試験の検証前に審査を終わるべきではない>
・日本原燃は、実際の使用済燃料を用いて、プルトニウムや核分裂生成物の取り扱いに係る、再処理施設の安全機能および機器・設備の性能を確認する「アクティブ試験」を2006年から開始しており、2008年にはガラス固化工程以外の試験を終了、2013年にはガラス固化試験を終了した。ところが、経済産業省も原子力規制委員会もその結果を検証していない。 ・アクティブ試験では、数多くのトラブルが発生し、当該事業の実施可能性を疑わざるをえない問題が露呈した。事業実施面からも安全面からも多くの問題をはらんでいる。 ・たとえば、以下のようなトラブルについて、原子力規制委員会としても検証すべきである。 (1) 白金族が沈降・堆積して、詰まる (2) 天井のレンガ片が落ちる (3) 高レベル廃液150リットルが漏洩 (4) 高レベル廃液濃縮蒸発缶温度計部腐蝕による漏洩 <環境中への放射性物質の放出>p.350~355 ・再処理工場の稼働は環境中への大量の放射性物質の放出をもたらす。たとえば、・日本原燃が公表している月別放出状況によれば、アクティブ試験中の2007年10月のトリチウム放出実績は、平均濃度が約9,000万ベクレル/Lであった。これは、原子力発電所に適用される告示濃度限度6万ベクレル/Lの1500倍に該当する。 ・原子力発電所から放出される水に含まれる放射性物質については、原子炉規制法に基づき、核種ごとに告示濃度限度が設けられ、総和が1を超えてはならないとされている。これは再処理施設から海洋中に放出される排水には適用されない。それがなぜかを原子力規制委員会は示すべき。 <高レベル廃液貯槽の評価>p.153~184 ・高レベル廃液貯槽(120立方メートル貯槽)、不溶解残渣廃液貯槽(70立方メートル)は、臨界事故を起こす可能性がある貯槽として審査されていない。 ・プルトニウムは比重が大きいため、攪拌が止まった場合、容器下部に沈降し、濃縮する可能性が指摘されている。こうした点に関して審査は行ったのか。 |
>六ケ所再処理工場の審査書案の概要
https://www.nsr.go.jp/data/000310672.pdf
>六ケ所再処理工場の審査書案
https://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000202107
>パブコメ提出はこちらから(電子政府e-Gov)
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=198020202&Mode=0
>原子力市民委員会によるパブコメ文例集
http://www.ccnejapan.com/?p=11318
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