脱原発・エネルギーシフトに向けて
Q&A なにが問題?大間原発
大間原発の建設再開が決定しました。「原発ゼロ」にしようといっているこのとき、なぜ再開するの?
大間原発の問題点を整理します。
Q.大間(おおま)原子力発電所とは? |
A:青森県に建設中の世界に類例のない原発だよ。
青森県の北端に建設中の原子力発電所。大間の町に非常に近く、人口の多い函館市にも近い場所です。
世界最大級の大きさで、全炉心でMOX燃料を使える世界に類例のない特殊な原発です。
1982年に計画が決定、用地買収に住民が反対し2008年になって着工され、震災により建設は中断されていました。
事業者は電源開発(J-POWER)という、電力会社がお金を出し合ってつくった会社です。
Q.MOX燃料ってなに? |
A:ウランとプルトニウムを混ぜ合わせて作った燃料です。
ウラン燃料を燃やすとプルトニウムが生成されます。そのプルトニウムを取り出して、ウランに混合して使う燃料をMOX燃料(Mixed OXide)といいます。
フルMOX燃料の場合、装荷されるプルトニウムは約6.5t。核分裂性のプルトニウムを約7割とすると約4.5t。これは長崎原発550~750発分に相当します。ちなみに、原子炉級プルトニウム1グラムは超猛毒物質で、一般人の制限値の2億人分です。
Q.厄介で危険なプルトニウムを処分するために建設されるの? |
A:プルトニウムを引き受けるアリバイ作りの可能性もあります
電源開発は原発を持っていないためにプルトニウムも所有していません。そのため他の電力会社が使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを「譲渡(有償か無償かは非公開)」してもらうのですが、まずは東電からとなっています。
使用済みのMOX燃料はウラン燃料と比べて発熱量が高く冷えるのにより長期間かかるため、冷却失敗する事故の可能性が高くなります。
六ヶ所再処理工場は、トラブル続きで19回も完工が延期され、高速増殖炉は実現のめどがたたず、核燃料サイクルは破綻しています。それなのに政府は六ヶ所を動かすことを青森県に約束しました。
六ヶ所を動かすためには、そこで出るプルトニウムの受け皿を、国際的に示す必要があります。大間原発の建設は、プルトニウムを引き受ける単なるアリバイ作りの可能性もあります。
Q.大間原発の直下に活断層があるんだって? |
A:敷地近海の活断層は、マグニチュード7級の地震を起こす可能性があるよ。
東洋大・渡辺教授らは、函館寄りの海底から大間原発の地下にもぐり込む活断層があり、海岸線の隆起がみられるのは活断層が繰り返し地震を起こしたためと分析。地層のずれは東西40数kmに及び、マグニチュード7級の大規模地震を引き起こす可能性がある、と警告しています。
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それどころか、原発直下にも活断層が存在する可能性も指摘されています。
>大間敷地内に活断層か-東洋大教授ら「10万年で2回活動」(2012/10/3 共同通信配信)
Q.ふぉえー。そもそも電力の需要はあるの? |
A:発電した電気がどう使われるのか、まったく未定です。
発電した電気は、9電力会社が買い取ることになっていますが、どこにどれだけ運ばれて使われるか、まったく未定です。電力の需要があるから発電し、それを電力会社が買い取る、というよりも、プルトニウムの受け皿としての大間原発を動かすために、電力会社がお金を出し合う、というのが実態です。
【参考情報】
Ust番組「FFTV~第9回 どうする大間原発(1)-小笠原厚子さんを迎えて-」
フクロウの会の阪上さんによる大間原発に関する解説、小笠原さんの胸をうつインタビュー、プルトニウムなんていらないよ!東京の高木さんによる使用済みMOX燃料をめぐる絵での解説など、盛りだくさんです
https://www.ustream.tv/recorded/26045399
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