政策提言
- JBIC環境ガイドライン
- 政府開発援助(ODA)
- JBIC原発指針
- 輸出信用機関キャンペーン
- 国際金融機関への提言
JBIC原発指針
原発輸出の公的支援に提言
世界では、“原子力ルネッサンス”という言葉が躍り、日本政府も政策により原発輸出を推し進めようとしています。その際、国際協力銀行(JBIC)(脚注1)等の日本の公的金融機関の関与は必至です。
しかしながら、JBICの新環境ガイドライン(2009年7月21日制定)では、原子力特有の問題(①核拡散の防止、②安全性の確保・事故時の対応、③放射性廃棄物の適切な管理・処分)について規定していません。したがって、不透明なまま、原発輸出が公的支援によって後押しされることになり、これらの問題が懸念されます。
2008年11月、日本政府は、JBICによる原子力関連プロジェクトの支援に関わる指針を作成することを発表しました(脚注2)。
原発は、放射性廃棄物処理、事故時の対応等、日本国内ですら電力の安定供給に支障をきたしています。国際的な潮流においても、原発関連輸出は慎重に進められています。例えば、世界銀行及びアジア開発銀行は原子力発電プロジェクトを支援しない方針を堅持している他、ドイツやオーストリアも原子力関連事業に公的信用を供与しない方針です。
私たちは、JBICや日本貿易保険(NEXI)のような公的金融機関が、ガバナンスや技術面にさらなる課題を抱える途上国で原発建設を進めることに関与するべきではないと考えます。しかしながら、現に、原発輸出が推進されている現状を踏まえ、政府が原発関連設備・事業に対する公的信用の付与を行う場合、最大限の配慮を行い、慎重に進める必要があるとの認識から、配慮すべきポイントを関係省庁・JBIC/NEXIに提言していきます
(脚注1)
2008年10月、日本政策金融公庫の国際部門となり、旧JBICのうち、国際金融等業務を承継。
旧JBICの海外経済協力業務は国際協力機構(JICA)へ統合。
(脚注2)
近藤正道参議院議員の原子力関連プロジェクトに関する質問に対する内閣参質一七〇第七七号の答弁で、
「JBICにおいては、プロジェクト実施主体により、プロジェクトの安全確保、事故時の対応、放射性廃棄物の管理等の情報が適切に住民に対して公開されていない場合には、貸付等を行うことのないよう、今後指針を作成することとしている。また、NEXIにおいては、保険種ごとの制約を踏まえつつ、輸出者等を通じてプロジェクト実施主体に対して情報公開を促すなど、可能な範囲で対応することとしている。」と記載。
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