【プレスリリース】39カ国の128団体が日本の官民にブンアン2石炭火力からの撤退を要求

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国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク
メコン・ウォッチ
国際環境NGO 350.org Japan

本日、39カ国128団体は日本の官民に対し、ベトナム・ブンアン2石炭火力発電事業(ブンアン2)からの撤退を求める要請書を提出しました。

昨年12月28日に日本の公的金融機関である国際協力銀行(JBIC)が、ブンアン2に対し6億3,600万米ドル(約600億円)の融資契約を締結しました(1)。協調融資に参加した民間金融機関は、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行が含まれるとみられます。また出資には三菱商事、中国電力が含まれるとみられます(2)。

ブンアン2はこれまでも国際的な批判を受けていた事業で、政府および参加各企業の気候変動対策との矛盾や環境影響評価の不備など、多くの問題が指摘されていました。

JBICによるブンアン2への融資は、「環境保全」を目的としたウインドウ(成長投資ファシリティ質高インフラ環境成長ウインドウ)を利用したものであることも明らかになっており、グリーンウォッシュだと批判の声も上がっています(3)。

要請書には賛同署名とともにメッセージも寄せられており、日本政府や同事業に関わる企業に対し「気候危機の現実を直視してください」、「世界中で気候変動を解決しようと頑張っている人たちの努力を潰さないでほしいです」、「ネットゼロとはこれ以上化石燃料を支援しないということです」などといった声が上がっています。

パリ協定が採択されて、すでに五年が経過しました。この間、さらに気候変動に関する科学的な分析が進み、気候危機を食い止めるためには新規に石炭火力発電所を建設する余裕がないことは、広く知られ始めています。パリ協定の国別目標の実施が始まる2021年を目前に、いまだ日本政府が新規石炭火力発電事業へ公的支援を決定したことに対し強く抗議するとともに、ブンアン2への支援の撤回を求めます。

また、日本政府は国際協力機構(JICA)を通じてバングラデシュ・マタバリ石炭火力発電事業フェーズ2、インドネシア・インドラマユ石炭火力発電事業に関しても新規建設を支援しようとしています。これらについても、公的支援は行わないと明確にすべきです。

詳しくは要請書をご覧ください。

注釈:
1. JBIC, 「ベトナム社会主義共和国ブンアン2石炭火力発電事業に対するプロジェクトファイナンス 成長投資ファシリティにより、電源開発プロジェクトを支援」 https://www.jbic.go.jp/ja/information/press/press-2020/1229-014147.html
2. IJGlobal, “UPDATE: JBIC signs debt for Vietnam coal-fired”, 05 Jan 2021
3. Climate Home News記事(和訳):日本、「環境」ファンドでベトナム石炭火力発電事業に融資, https://sekitan.jp/jbic/2021/01/21/4976

賛同団体から寄せられたメッセージの一部

メッセージ全てを見る
・世界気候危機の中、ブンアンの石炭火力発電所建設を進めることは、気候正義に反するばかりでなく、世界の若者の未来を奪う許されざる行為です。すぐに建設を中止して下さい。
・実質ゼロと言いながら影で石炭火力を推進するなんて許せません!
・私たち一人一人が、マイバックを持ったり、牛肉の消費を減らしたり、省エネをしたりと日々の生活でどれだけ頑張っても、新たに石炭火力発電が一つできるだけで、一人一人の行動がなかったことになってしまうくらい温室効果ガスが排出されてしまいます。石炭火力発電の事業ではなくて再生可能エネルギーの事業に取り組んでください。
・私たち若者の未来を奪わないでください。
・菅首相が「50年にカーボンニュートラル」、梶山経産相が「老朽石炭火力廃止」と言いながら、他方で海外に石炭火力を売りつける。これは地球環境全体でみれば、日本のCO2排出を他国に振り向け、汚い物は他国へ・・・。あまりにも汚い姿勢です。
・温暖化は近々の課題です。カーボンゼロは日本だけの問題ではありません。日本のメッセージがこれでは、あまりに無責任すぎます。撤回してください。
・石炭発電に対しては投資家の目も年々厳しくなっており、座礁資源になるとも指摘されています。また、石炭発電は他の化石燃料より多くのCO2、大気汚染物質を放出します。ベトナムのためにも、先の長い支援を考えて脱炭素電源の支援を進めてください。脱炭素は地球の存続にかかわる重大な課題です。排出量ゼロ以外はありえません。できない、ではなく、どうするか、を考えて早急な対応を望みます。
・気候変動は極めて危機的状況です。石炭火力事業を支援するということは、気候変動対策に逆行するという意志を示しているということです。私たちの国は環境政策の面で非常に遅れをとっており、それはのちに国の競争力を落とすことに繋がります。過去の常識にとらわれず、長いスパンでの発展を考えてくださるようお願いいたします。
・どこを目指して、何を得て社会を良い方向へ動かすのか。もう一度社内で問い直してほしい。
・本当に気候変動への対策の目標を達成しようと試みていますか?私にはそう思えません。
・日本のお金が循環経済のために使われることを求めます。誰かが損したり、傷ついたりするビジネスは時代遅れです。
・未来の人類にとっての本当の利益を考えるこれからの政治、企業のあり方に国民は注目しています。
・公的金融機関であるJBICが、ブンアン2に対し6億3,600万米ドル(約600億円)の融資契約を締結したことは、パリ協定に違反し、菅首相が宣言した2050年温室効果ガス排出実質ゼロにも反します。日本の石炭火力優遇政策は、世界から厳しく非難されています。ブンアン2への融資契約は直ちに撤回すべきです。
・気候危機に立ち向かうには、同じ目標(パリ協定)を見据えた国際協調が必要です。短期的な課題解決や取り決めありきの判断ではなく、長期的視点に立った融資判断をよろしくお願いします。
・We need your strong and unequivocal leadership to avert catastrophic climate.
・Funding fossil fuels will negate all attempts at a just transition.
・This coal project in Vietnam will contribute massively to dangerous climate change, therefore risking the lives of current and future generations. Please urgently consider withdrawing your support.
・Prime Minister Abe made an expensive promise over half a decade ago for VA2 that is a huge mistake. It’s not too late to change course.
・Such support violates the OECD Export Credit Group coal-fired electricity generation sector understanding and commitments signed onto at the Finance in Common summit.
Please stop financing climate-ruinous fossil fuels.
・The Age of coal is over. Don’t risk your reputation by being the last believers in dirty energy.
・Start Japan’s zero emission commitment with withdraw Vung Ang 2 and others CPP financing
・You will be prosecuted for ignoring the reality of climate science and fueling the expansion of the coal sector.
・Japan can lead globally shifting to renewable energy
・Please be a leader of “Build Back Better" you proclaimed for the first time
・Coal power plant caused severe impacts to people’s health. We need clean air for our life
・Walk the talk! Net zero mean no more funding to fossil fuels.
・Clean Coal is Dirty Lie. Japanese Government and Financial Institution must stop any financial and technical assistance for fired power plant projects in other countries.
・It is time to consider moving away from fossil fuels such coal in order to save the planet. The governments in the world, including Japan need to understand that the more we use coal, the more our planet is in danger because of the climate change. No more coal.
・Coal power is old-fashioned and incredibly destructive to the environment. Japan must stop funding the use of fossil fuels and instead invest in renewable energy sources. We also urge all private institutions to withdraw from the project.

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