【プレスリリース】国際協力銀行(JBIC)前田総裁の発言に対するコメント 日本の石炭火力への公的支援に完全なる終止符を
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国際協力銀行(JBIC)の前田匡史総裁は、4月22日付のダイヤモンド・オンラインの記事「『石炭火力発電』融資を巡る国内外の批判に猛反論、国際協力銀総裁吠える」と題するインタビュー記事の中で、「今後は石炭火力発電プロジェクトの融資申請は受け付けません」と明確に2度発言しています。
JBICはこれまで石炭火力発電事業に対して多額の融資を続けており、パリ協定採択後も8件もの案件の融資決定をしてきました*1。2月には、ブンアン2石炭火力発電事業(ベトナム)の融資検討を開始したばかりです。この先、JBICが支援を検討する石炭火力案件はもう出てこないであろうという中で、その実態に照らしただけの発言とも捉えられますが、JBIC総裁としてこのように公に支援中止に言及したのは初めてのことです。
これまでJBICの石炭火力発電事業に対する融資の中止を求めて活動してきた私たちは、本発言を、海外の石炭火力発電へのJBICの公的支援の終焉を意味する重大なものと受け止めました。これまで、東南アジアをはじめとする途上国において、環境汚染や人権侵害などの様々な問題を引き起こしている石炭火力発電への公的支援は、途上国の人々の発展に寄与しないどころか、酷く苦しめるものとなってきました。私たちは、「今後は石炭火力発電プロジェクトの融資申請を受け付けない」という方向性が明確に打ち出され、脱炭素への一歩を踏み出せること歓迎します。
しかし、ブンアン2石炭火力発電事業については、引き続き支援検討を続けることも表明しています。パリ協定との整合性上、石炭火力発電所は、今後一基も建設することは許されません。私たちは、ブンアン2石炭火力発電事業についても支援検討を中止し、また、これまでに融資申請を受け付けたものがある場合も、今後、支援検討を中止するよう求めます。
さらに、公的支援を止めるべきは、国際協力機構(JICA)も同様です。JICAも同様に、公的支援を止めるとの方針を明確に表明し、現在、JICAの支援が見込まれているインドラマユ(インドネシア)、マタバリ2(バングラデシュ)石炭火力発電事業への支援も一切止める必要があります。そして、日本の石炭火力発電の公的支援に完全なる終止符を打ち、再エネ、エネルギー効率化などの途上国の脱炭素化へと舵を切るべきです。
そして民間の動きよりも周回遅れとなっている政府においても、明確な石炭火力支援中止の方針を速やかに決定するべきです。
脚注 * https://www.foejapan.org/climate/nocoal/pdf/list_after_paris.pdf
本件に関する問い合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、田辺有輝、tanabe@jacses.org
国際環境NGO FoE Japan、波多江秀枝、hatae@foejapan.org
気候ネットワーク、平田仁子、khirata@kikonet.org