第4回期日を迎えた横須賀石炭訴訟。国からの回答弁論はなく。

脱化石燃料2024.7.5

6月26日、横須賀石炭火力訴訟第4回期日が、東京地方裁判所で執り行われました。

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、傍聴者数を定員の約1/4に制限して開催された今回の裁判では、前回に引き続き「裁判の正当性」について議論されました。

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裁判所に向かう原告、訴訟サポーターたち。

法廷では、原告代理人より、裁判の正当性として、(1)処分性、(2)原告の適格性、について、再度強調した形で主張されました。主張は15分以内にという裁判官からの要請があり、限られた時間の中ではありましたが、上記2点の妥当性として、下記のように論点を整理されました。

 

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法廷での原告代理人の主張をもとに、筆者作成。

 

また、原告代理人は、被告の反論書類の提出が遅れており、それが裁判の進行に支障をきたしていることを指摘。被告は、提出書類の遅れの理由として、新型コロナウィルスによる業務形態のやむを得ざる変更をあげましたが、原告側は同様の状況下にもかかわわず、今回の期日への準備を進めてきたこと、そして、緊急事態宣言が発令された中においても横須賀石炭火力の新設工事は通常通り進行していた点をあげ、被告の主張の妥当性を問いました。しかし、原告側の主張は虚しく、書類提出の期限の前倒しはかないませんでした。

 

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閉廷後、手短に原告代理人の小島弁護士より、今回の裁判についてお話いただきました。

 

7月8日(水)14:00〜15:00に、オンラインにて、過去4回の期日を含めた横須賀石炭火力訴訟の報告会を実施します。参加ご希望の方は、こちらよりお申し込みください。

また、次回期日は、10月14日(水)14時から、東京地方裁判所で開催の予定です。

 

気候変動は待ったなしの状態です。「気候危機」という言葉が閣議決定に盛り込まれ、今月12日には、環境省も気候危機を宣言したばかりです。また、次回期日までの4ヶ月の間では、昨年や一昨年同様、巨大台風による被害も予想されます。10年後、20年後に、多くの命が失われたり、財産が奪われたりするような深刻な被害の増加を食い止めるには、「締め切りまでに間に合えば良い」というような悠長な概念は通用しないはずです。

FoE Japanは引き続き、横須賀で建設が進む石炭火力発電所の建設中止を求める人々とともに、石炭火力に依存する社会からの脱却のために尽力していきます。

(高橋 英恵)

*横須賀石炭訴訟についてはこちら:https://yokosukaclimatecase.jp/

*「石炭火力の電気はいらない!」事業者JERA(東京電力・中部電力の合弁会社)へのアクションはこちら!

→おうちのでんきから未来を変える!パワーシフト・キャンペーン

→横須賀の石炭火力発電所建設計画の中止を求める署名

 

*横須賀石炭火力の中止を求める若者たちFridays For Future Yokosukaも活躍中!最近の活躍についてはこちら

2020/6/8 「Fridays For Future Yokosukaからの手紙に小泉環境大臣が言及」東京新聞、朝日新聞

2020/6/26「小泉環境相、学生と意見交換 横須賀の火力中止要望には…」神奈川新聞

 

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