バンコク会合
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FoEインターナショナル プレスリリース
「国連気候交渉における先進国の責任逃れ」
2009年10月5日
バンコク(タイ)
先週、アジア太平洋地域で異常気象により多くの人々が犠牲となった同じ頃、先進国は国連気候変動枠組条約で定められている責任から逃れようとしていました。FoEインターナショナルはこのような先進国の姿勢を批難します。
国際市民社会は、バンコク(タイ)で開催されている国連気候会合において、先進国が科学と気候の公平性(クライメート・ジャスティス)に基づき、大幅な温室効果ガスの排出削減と、途上国の気候変動対策に対する公的資金による支援を求めています。
FoE USのカレン・オレンステインは以下のように述べます。
「米国は、国連の役割を脅かすべきではないことを理解するべきです。世界中で最も豊かな国(米国)が、国連気候変動枠組条約の下でリーダーシップを発揮したいのであれば、条約の下の国際議論を後退させるのではなく前進させていくべきでしょう。今会合における米国のこれまでのふるまいは、まさに非建設的/帝国主義的だったと言えます。
先週、米国上院議会により、驚くほど低い温室効果ガス排出削減目標と、その目標達成のための20億トン分のカーボン・オフセットの使用を含む新しい法案が出されました。これではオバマ大統領のメッセージである“変化”に期待することはできません。」
FoE オランダのリンダ・イジンカーは以下のように述べます。
「欧州委員会の発表した新しい気候変動資金の提案では、途上国の適応と緩和対策のための大部分の費用を途上国が負担することになります。さらに、資金源は炭素市場任せです。私たちは欧州の国々に対し、この適切とはいえない提案を改めることと、国際条約の下の義務に従い、途上国の適応・技術移転・緩和のニーズに対して資金を拠出すること、さらに、自らの温室効果ガス排出を削減することを求めます。」
FoE インターナショナルのステファニー・ロングは以下のように述べます。
「過去200年に渡り、先進国はとどまることのない化石燃料開発により“気候債務”を増やし続けてきました。破壊的な気候変動を避けるため、そして世界中の人々の生命を守るためにも、この気候債務は返済されなければなりません。先進国が気候変動に対する歴史的な責任に基づき自らの温室効果ガス排出を削減することで、途上国に持続可能な経済がもたらされます。
EUと米国は、途上国の気候変動対策支援に関し、民間資金をあてにした不十分かつ不確実な資金調達提案をしています。先進国は、自らが引き起こした気候変動問題の解決のために資金を拠出しなければなりません。途上国の政府代表団は、国連交渉における途上国政府の忍耐力がすり減ってきたとこぼしています。」