COP18
FoEI プレスリリース
「ドーハ気候交渉:先進国による気候変動対策の妨害」(和訳)
11月26日からカタールのドーハで開催されていたCOP18は12月8日、温室効果ガスの削減目標の引き上げも、途上国支援の具体化も見られないまま終了しました。
FoEインターナショナルは、後退する気候交渉の現状と気候変動対策の無秩序な市場化に一層の危機感を募らせ、プレスリリースを発表しました。
カタール・ドーハ
FoE インターナショナルは、カタールで失敗に終わった国連気候交渉を妨害した先進国を強く非難します。
Asad Rehman(FoEインターナショナル・カタール会合スポークスマン)は次のように述べます。
「ドーハ合意は砂漠の幻覚のように中身のないものです。気候資金において侮辱的ともいえる貢献の素振りを見せただけで、温室効果ガスの削減に向けた進捗もなく、何も実現しませんでした。
責任は裕福な先進国にあります。最も非難されるべきは米国です。オバマ政権は、国際的な気候変動対策のための国連体制とそこに参加する先進国の貢献を後退させることに成功し、気候交渉を麻痺させて、世界の貧しい人々にその対価を立て替えさせようとしています。
裕福な先進国によって引き起こされている気候危機に最も苦しめられている途上国の人々のために、我々は正義を要求します。
人々と共に見出される解決策が求められています。我々は政府に正しい行動を要求し、間違った政策は拒否しなければなりません。
気候変動枠組み条約締約国会議(COP18)では、気候危機に対する歴史的責任を負う先進国の約束に、重要な進展はありません。
条約の下、先進国は、科学と公平性に基づき、強固で拘束力のある排出削減と、途上国への補償として、持続可能な開発のための適切な気候資金の提供が義務付けられています。」
Sarah-Jayne Clifton(FoEI・エネルギー・コーディネーター)は次のように述べます。
「今もなお、汚れた産業界により各国政府の手綱は握られ、化石燃料の圧力団体がカタール砂漠で行われた気候の対立に勝ちました。気候危機はさらに悪化し、対策の実行可能性は日々小さくなっています。先進国は、この会合では気候危機の解決に取り組む姿勢さえ見せませんでした。代わりに、彼らは化石燃料企業と、国際炭素市場を促進することで金融業界の利益を守り続けました。」
Dipti Bhatnagar(FoEI・クライメート・ジャスティス・ コーディネーター)は次のように述べます。
「世界的な気候危機を抑制するには、強固で拘束力のある国際枠組みが必要です。しかし、ドーハ会合でも明らかになったように、世界中の人々は、政府が問題を理解し、対策を始めるのをもはや待っているわけにはいきません。すでに化石燃料や汚れたエネルギーに抵抗し、クリーンエネルギー組織を立ち上げ、食糧システムの転換を進め、森林、土地、そして水を多国籍企業から守っている人々、地域社会と共に取り組みます。
人々と地球を重んじる解決策は、気候危機を解決し、私たちすべてのより良い未来に導いてくれるでしょう。我々は、今、政府にクライメート・ジャスティス(気候の正義)を求めなければなりません。」