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フィリピン・ボホール灌漑事業
復興に向けて―フィリピン中部地震・台風被災地からの報告
2014年5月
フィリピン中部地震・台風被災地への暖かいご支援、ありがとうございます。
前回の報告に続き、現地NGOの復興に向けた取り組みを報告します。
>前回の報告はこちら
日本の各方面からの寄付とフィリピンの教会関係者からの寄付により、ボホールの農民団体とNGOは、復興支援「Project:Alayon ! = お互いに助け合おう」を続けています。
2014年4月には、イナバンガ町のイナバンガ農民組織(NAMAINA:Nagkaiusa Mag-huuma sa Inabanga)が中心となり、5村122世帯に農耕道具と水牛2頭(親1、子1)が提供されました。水牛は、今後、この農民組織のメンバーがデモ・ファームをつくり、共同作業をしていくために利用されるとのことです。
現地はまだまだ復興途中で、現地政府の支援も手薄ななか、皆さん、以下のように厳しい生活を強いられています。それでも、皆さん助け合って生きていっていることに、こちらが励まされる思いでした。
●イナバンガ町リバーサイド村の被害
イナバンガ町リバーサイド村では家屋に亀裂が入るだけでなく、居住している土地そのものに亀裂が入ったり(添付写真2枚)、農地のあったところが土砂崩れで一緒に無くなってしまいました(添付写真)。村の169世帯全員に政府が避難勧告を出しましたが、政府が移転地を用意したわけではなかったので、ほとんどの方は隣村のキャンプに避難。リバーサイド村は現在、人のいない空っぽの状況になっています。
リバーサイド村の農地は元々、丘にあるところが多く、キャッサバ、バナナ、コーンなどを栽培していました。農地が残っているところもありますが、アクセスするまでの道のりに大きい亀裂があり、農地に戻れないケースもあります。農耕道具を農地の小屋に置いたままの世帯が多かったため、今回の「Project:Alayon ! 」では、農耕道具が農民組織から要望されたということでした。
●イナバンガ町リバーサイド村の住民が避難したテント村と現状
リバーサイド村の住民が避難したキャンプ地では、テント生活が長く続いています。
自力でテントを出て、親戚などを頼って近隣の土地を購入する人もいますが、多くは借金を抱えての苦渋の選択です。
写真:カビトオン村に新しく作った家。借金は残ったまま
現在は、家屋の修理・建設ラッシュのような時期になっており、さまざまなところで、大工や労働をさせてもらえるため、生活費などの足しにもできているよう でした(日当250~300ペソ。1ペソ=約2.3円)。
写真左:リバーサイド村で被害を受けた家 写真右:家の修理ラッシュ
しかし、土砂崩れによる農地被害は、リバーサイド村だけでなく、近隣の村にも広がっています。現在は、修理・建設ラッシュ、また、親戚同士で農地を共有し合うなど、助け合っての生活を何とか続けていますが、現在の建設ラッシュが過ぎれば、残された農地も少なく、厳しい生活が続くことが予想されます。
ボホール現地NGOや農民組織は、今後も「Project: Alayon!」を継続していきたいと言っています。
繰り返しになりますが、皆さまの暖かいご支援、本当にありがとうございます。
今後も引き続き、現場の情報を報告させていただければと思っています。