企業の株主総会で気候変動アクション!

脱化石燃料2024.7.5

近年、企業に対し気候変動対策の強化を求めて株主が行動を起こすケースが増えています。機関投資家の動きはこれまで注目されてきましたが、海外ではNGOが自ら株主となり、企業に対し気候変動対策の強化を株主提案し、可決されるケースも出てきています。

日本でも、昨年気候ネットワークがみずほ銀行に対し株主提案を、今年はマーケットフォースが住友商事に、そしていくつかのNGOが合同で三菱UFJフィナンシャルグループに株主提案をしています。

参考:株主総会ピーク 気候変動問題へ取り組み強化求める提案相次ぐ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210629/k10013109341000.html

FoEJapanは他のNGOとともに株主総会会場近くで、企業の関係者や総会に参加する株主に対し、アピールを行いました。

住友商事は2050年に住友商事グループのカーボンニュートラル化を目指すことや、原則として新規の発電事業・建設工事請負には取り組まないとしています。しかし、実際には今も新規石炭火力発電所への関与を完全には否定していません。バングラデシュ・マタバリ石炭火力発電事業はその一つ。住友商事はすでに建設中のマタバリ1&2号機に関与していますが、新規の3&4号機ついては、今も「参画の是非を検討する」としています。

マーケットフォースの株主提案は否決されてしまいましたが、日本の大手商社に対して気候変動の観点で出された初めての株主提案としては一定以上の賛成票を集められたのではないかと評価する声もあります(参考:東洋経済オンライン「住友商事、気候変動の株主提案「賛成2割」の重圧 「脱石炭」に遅れ、石炭火力完全撤退は2040年代」https://toyokeizai.net/articles/-/436303)。

みずほ銀行の株主総会でのアクションの様子

脱石炭ポリシーを掲げている三菱商事、新規石炭火力のEPCに参画

三菱商事に対しては、すでに脱石炭方針を掲げているにもかかわらず、今でも新規石炭火力発電事業に参画を続けていること、カナダで進めているLNGカナダ事業に関連して先住民族の反対や人権侵害が発生していること、またミャンマーの軍に利する可能性のあるガス事業に参画している問題点などを指摘し、三菱商事に対しては問題ある事業からの撤退を、そして株主総会に参加する株主たちに三菱商事に対し気候変動・人権ポリシー強化を求める質問等を行なうようアピールしました。

今後も企業に対し様々な形で気候危機対策や、脱化石燃料を求めていきます。

(深草亜悠美・杉浦成人)

 

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