CCS事業「貯留事業の実施に係るガイドライン(案)」へのパブリックコメントを提出しました
千葉県で大規模に進められようとしている「首都圏CCS事業」。
2026年7月から九十九里沖の試掘が始まっています。
一方、経済産業省では、試掘事業後の本格実施となる「貯留事業」に関するガイドライン案が審議会でまとめられ、10月31日までパブリックコメントにかかっています。
・審議会資料
第6回 総合資源エネルギー調査会 資源・燃料分科会 カーボンマネジメント小委員会 CCS事業制度検討ワーキンググループ/中央環境審議会 水環境・土壌農薬部会 海底下CCS制度専門委員会 合同会合(書面審議)(METI/経済産業省)
・パブリックコメントのページ
二酸化炭素の貯留事業に関する法律に基づく貯留事業の実施に係るガイドライン(案)に対する意見公募|e-Govパブリック・コメント
FoE Japanから以下の意見を提出しました。

FoE Japanからの提出意見
該当箇所: p.10 第3章第1節の1「貯留事業の許可について」
意見内容: 現行のCCS事業法では、環境影響評価の実施が義務付けられていない。環境への多大な影響を伴う事業であるため、本来であれば義務化すべきである。
首都圏CCS事業においては、自主的な環境影響評価をしているとされているがその結果や詳細は公開されていない。
現行のCCS事業法下においても、貯留事業の許可にあたって、自主的に行った環境影響評価の開示と説明を求めるべきである。
理由: 周辺環境にどのような影響があるかについては、関係する自治体や住民にとって重大な事項である。貯留事業の許可基準の「農業、漁業その他の産業の利益を損じ、公共の福祉に 反するものでないこと」という項目にも密接に関係する。
環境影響評価を必ず実施することとし、その結果の公表と説明を求めるべきである。
該当箇所: p.10 第3章第1節の1「貯留事業の許可について」
意見内容: 「経済産業大臣が、当該者に貯留事業に係る許可をしようとするときには、申請に 係る貯留事業について関係する都道府県知事に協議するほか、申請に係る CCS 事業法第7条各号に掲げる事項を公告し、公告の日から1月間、これらの事項を公衆の縦覧に供し、利害関係人からの意見の提出を受け付ける。 」とある。この点について、利害関係人の範囲が明確でないため、「住民等から広く」などと改めるべきである。また提出された意見については、直接の利害関係人以外からのものも受け付け、公開すべきである。
理由: 首都圏CCS事業のための試掘許可の前に行われた意見募集において、提出された120件超の意見のうち「利害関係人からの意見」と扱われたのは6件のみであった。一方、利害関係人の基準等は公表されておらず、選定の過程が不明確である。CCS事業は環境や社会に多大な影響を与えうる事業である。試掘および貯留両方の許認可プロセスにおいて、意見提出者を限定せず、広く意見を募るべきである。
該当箇所: p.10 第3章第1節の1「貯留事業の許可について」
意見内容: 「貯留事業を行おうとする者が示すべき事項」について、試掘事業に関する環境への影響評価や事故・事象に関する報告や評価等も含めるべきである。
理由: 首都圏CCS事業においては、試掘事業の過程で、重油の流出事故や発火が発生している。また因果関係が不明であるものの、周辺の生物等の環境に変化がみられるという報告もある。こういった事態の際に、因果関係を明らかにするためにもベースライン調査や、事前の環境影響評価を行い、これらに関して公衆への情報開示や許認可にあたり国がそれをどう評価したか等についても示すべきである。
該当箇所: p.17-18 第3章第1節の3 「地域住民等の関係者への周知及び情報提供の取組について 」
意見内容: 説明会の実施について、開催したという事実づくりにとどめず、住民からの意見とそれに対する対応を開示するなど、双方向的なやり取りと意見交換、およびその開示を求めるものとすること。
理由: 説明会を形式的に開催するだけとなる懸念がある。計画の初期段階から、事業の影響を受ける可能性のある地域住民に十分に説明を行う必要がある。そのためには、計画の進捗にあわせて複数回開催すること、住民からの質問・意見と事業者の回答を記録し公開すること、意見への対応状況もあわせて公表すること、などが必要である。
該当箇所: p.17-18 第3章第1節の3 「地域住民等の関係者への周知及び情報提供の取組について 」
意見内容: 「貯留事業の概要ほか必要な事項を公告により公衆の縦覧に供し」とあるがその際の必要事項として、CCS事業の全体像を含む以下のような点についても追加すべきである。
・CO2の分離回収、輸送の詳細やルートなど事業の全体像
・CO₂の年間注入量、累積注入量、注入期間
・地震や断層などの評価の結果
・環境影響評価の結果詳細と漁業等への影響可能性
・異常が確認された場合の対応方法 等
理由: 貯留事業に関する説明のみでは、CCS事業の全体像を把握することができず、適切な情報提供とは言えない。
該当箇所: p.17-18 第3章第1節の3 「地域住民等の関係者への周知及び情報提供の取組について 」
意見内容: 説明会での説明内容は、貯留事業に限るのではなく、CO2の分離・回収、輸送の各段階やタイムラインを含むCCS事業の全体像について説明すべきである。
理由: 貯留事業に関する説明のみでは、CCS事業の全体像を把握することができず、適切な情報提供とは言えない。