【マレーシアから署名協力のお願い】日本の官民も出資するライナス社による米国防総省へのレアアース供給に反対を!(一次集約:7/4まで)

レアアース(希土類)大手ライナス・レアアース(ライナス社)と米国防総省(戦争省)による、4年間で約9,600万ドル規模(約150億円)に及ぶ供給契約について、市民社会から批判の声が上げられています。マレーシアの57の市民団体は、パハン州でライナス社によって加工されるレアアース酸化物が国際人道法および人権法に違反する疑いが濃厚な軍事作戦に最終的に使用され、マレーシアがその共犯者になる可能性を指摘し、契約破棄を求める公開書簡を発表しました。レアアース酸化物は高度な兵器システムに不可欠な構成要素です。

日本からの声がなぜ大事か?

豪ライナス社は、日本の双日および経産省所管のJOGMEC(独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構)が2011年から巨額の資金(約2億5,900万米ドルおよび2億豪ドル相当)を出資してきた企業で、協力関係の維持・強化を図ってきたビジネスパートナーです。

署名にご協力を!

FoEマレーシア(Sahabat Alam Malaysia: SAM)を含む、現地の市民団体から、この契約の破棄をマレーシア政府関係者やライナス社に求める要請書への個人署名の協力依頼がきています。

  • 署名の一次集約期限: 7月4日まで
  • 署名サイト(マレーシア語・英語):https://c.org/KGYgf94xV4 

マレーシアからの連帯要請に応え、兵器のサプライチェーンに加担せず、平和な未来を築いていくため、ぜひ日本の皆様も署名・拡散にご協力をお願いいたします。

以下は、署名内容の和訳になります。 

署名内容の和訳

ライナス社による米戦争省へのレアアース輸出を停止してください

マレーシア首相 ダトゥク・セリ・アンワル・イブラヒム 様
投資貿易産業省(MITI)大臣 ダトゥク・セリ・ハジ・ジョハリ・ビン・アブドゥル・ガニ様 
外務省大臣 ダト・セリ・ウタマ・ハジ・モハマド・ビン・ハジ・ハサン 様
科学技術イノベーション省(MOSTI)大臣 チャン・リー・カン 様
ライナス社取締役会会長 ジョン・ハンフリー教授 様

私たち、署名した個人および市民社会団体は、謹んで以下の事項を要求いたします:

1. ライナス・レアアース社は、米戦争省(ペンタゴン)への9,600万ドル相当のレアアース酸化物の販売契約を破棄すること。

2. マレーシアの政策および法令との整合性を確認するための独立調査が完了するまで、ライナス社によるペンタゴンへのすべてのレアアース輸出を直ちに停止すること。

3. 過去10年間にわたるライナス社のレアアース輸出に関する最終用途契約および軍事サプライチェーン監査の結果を全面的に公表すること。

4. ライナス社がペンタゴンとの取引を破棄するまで、同社の操業を停止し、操業許可を取り消すこと。

5. ジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪といった国際人道法違反に利用されるという信憑性のあるリスクがある場合、マレーシアからの今後のレアアース輸出を禁止する法律を整備すること。

6. ライナス社に対し、放射性水浸出浄化残渣をマレーシアから撤去するにあたり、当初の許認可条件を厳格に遵守させること。

7. ライナス社が、人びとの健康と環境を保護するという当初の許認可条件を確実に遵守するまで、同社の操業拡大を目的とした今後の環境影響評価(EIA)報告書を却下すること。

8. 国連安全保障理事会および国際刑事裁判所を通じた積極的な外交措置を講じ、加害政権であるイスラエルへの他国からの同様の資源供給を断つこと。

外務省のウェブサイトには以下のとおり、明記されています:

マレーシアはパレスチナ国家に対して連帯の姿勢を示し、「…パレスチナ人の基本的自由と国家樹立の権利を擁護し、パレスチナの人びとの意志と大志を尊重し、パレスチナに安全保障の保証を提供するとともに、相次ぐ国際法違反、集団殺害犯罪(ジェノサイド罪)、戦争犯罪、人道に対する罪について、シオニスト・イスラエル政権の責任を追及する」ことを支持してきました。

マレーシアはさらに、ニューヨーク宣言[1]には不備や限界があるものの、同宣言が「…シオニスト・イスラエル政権によるガザへの戦争、その残虐行為、パレスチナの領土における人道上の大惨事を直ちに終結させ、中東における永続的な平和の実現に向けた道筋をつけるべきである」と強調しました。 イスラエルはこれまで、主に米国によるイスラエルへの根強い外交的・軍事的支援を背景に、挑戦的な姿勢を崩さず、パレスチナ人に対する軍事侵略とジェノサイド行為を続けています。 

したがって、2026年3月に締結されたライナス社とペンタゴン/米戦争省との間の9,600万米ドル規模のレアアース酸化物供給契約[2]は、マレーシアの外交政策や、パレスチナ国家に対する長年にわたる支持・承認と矛盾するものであり、また同社の操業によって、すでに引き起こされている健康や環境に対する有害な放射能による危険は言うまでもありません。

首相におかれましては、マレーシアの尊厳と主権を守るため、直ちに行動を起こすよう要請します。米戦争省へのさらなるレアアース輸出は、パレスチナだけでなく、世界的な非難を浴びながらも米国とイスラエルが最近攻撃を続けているイランやその他の近隣諸国におけるジェノサイド、戦争犯罪、人道に対する罪に、マレーシアが共犯者として加担してしまう恐れがあるためです。2026年7月30日までに、上記の要求に対する正式な回答の公表を期待しています。

背景

「イスラエル政府の目標は極めて明白である。それは、ガザにおける生命の破壊である。」

「ガザでの戦争は、1948年以来、パレスチナの人びとに対する最も無慈悲で、長期かつ広範囲にわたる攻撃である。」

ナヴィ・ピレイ氏(パレスチナ占領地域に関する調査委員会委員長)[3]

2024年10月、国連の独立国際調査委員会は、ガザの医療施設に対するイスラエルの攻撃および被拘禁者や人質への扱いに、戦争犯罪および人道に対する罪が認められるとの結論を下しました。同委員会は、「イスラエルは、ガザに対する広範な襲撃の一環として、ガザの医療制度を破壊するという組織的な政策を実行し、医療従事者や医療施設に対する執拗かつ意図的な攻撃を通じて、戦争犯罪および殲滅という人道に対する罪を犯した……」と結論付けました。[4]

イスラエルによるジェノサイドおよび人道に対する罪に関するデータ

パレスチナ中央統計局[5]によると、以下のとおりです:

・2026年4月末時点で、パレスチナ内外において約20万人のパレスチナ人およびアラブ人が殺害されている。 2023年10月以降、ガザ地区だけでも死者数は72,601人に上り、その中には20,413人以上の子ども、12,524人の女性、1,670人の医療従事者、1,038人の教育関係者、262人のジャーナリストが含まれている。

・2023年10月7日以降、ガザ地区では200万人のパレスチナ人が、ヨルダン川西岸地区では4万人が強制的に避難を余儀なくされた。

・2022年から2025年にかけて、ヨルダン川西岸地区において、イスラエル占領当局および入植者による6万1,000件以上の攻撃が行われた。 2025年には、ヨルダン川西岸地区で約1,400棟の建物が破壊された。これには、エルサレム県内の258棟の建物や施設(エルサレム市内では、パレスチナ人が自らの家を破壊することを強制され、強制的な自主撤去が104件発生)が含まれ、その過程で、主に樹齢の古い8万1,500本以上のオリーブの木が根こそぎにされた。

・学校、大学、病院、モスク、教会、政府機関の本部をはじめ、数千棟の建物や経済施設を含む19万8,000棟以上の建物が被害を受けた。ガザ地区では10万2,000棟が完全に破壊された。 2023年10月7日以降、ガザ地区の住宅の70%以上に相当する少なくとも33万戸が完全または部分的に破壊されたほか、道路、水道・電線、下水道、農地を含むインフラのあらゆる側面が破壊され、ガザ地区は居住不可能な状況に陥っている。

・ガザの学校および大学の90%が、空爆、砲撃、放火、計画的な爆破を含むイスラエルの攻撃により、損傷または破壊された。[6]

・ヨルダン川西岸地区には、約900カ所のイスラエル軍検問所が設置されている。

・イスラエルは、以下のようにパレスチナ人の水へのアクセスを制限している:

新たな井戸の掘削を禁止し、既存の井戸の修復に厳しい制限を課すことで、パレスチナ人の地下水の85%以上を管理している。

ヨルダン川の流れとその経済資源、および死海を一方的に掌握し、1967年以来、パレスチナ人がこれらの資源に実際にアクセスすることを一切禁止することで、パレスチナ人のヨルダン川の水に対する権利をほぼ完全に剥奪している。

水供給の制限 – ガザ地区の一部地域では、攻撃期間中に1人1日あたり3〜5リットルにまで減少しており、生存に必要な1人1日あたり15リットルという人道上の最低基準を大幅に下回っている。

ライナス社と米戦争省

ライナス・レアアース社は、中国以外でレアアースを供給する重要な軍事サプライヤーです。以下は、ライナス社が米戦争省に対し、軍事用途向けに供給する旨の拘束力のある契約を締結した具体的なレアアース材料です。

・サマリウム(Sm):生産を直近で開始。サマリウムコバルト磁石は、F-35戦闘機の部品を含む高精度兵器に使用されている。

・ジスプロシウム(Dy)およびテルビウム(Tb):2025年から商業生産が開始されている。これらは、高性能磁石が高温に耐えるのを助ける重要な添加剤である。

・ネオジム・プラセオジム(NdPr):4年間、9,600万ドル規模のペンタゴンとの枠組み契約に基づき供給されている。この(2つの元素の)組み合わせは、軍事システムにおける高強度永久磁石の標準となっている。

・ライナス社は、米国を拠点とする磁石メーカーのノベオン・マグネティクス社と提携し、米軍のニーズを優先した永久磁石の生産を行っている。[7]

・また、ライナス社は今後2年以内に、ガドリニウム、イットリウム、ルテチウムなどの他の元素の生産拡大にも取り組むことを約束している。これらの元素は、米国の兵器製造に不可欠である。[8]
脚注:

[1]      on the Peaceful Settlement of the Question of Palestine and the Implementation of the Two-State solution, 29 July 2025 accessed June 2026 via https://onu.delegfrance.org/new-york-declaration

[2]      Lynas’ ASX Announcement March 2026 accessed June 2026 via https://wcsecure.weblink.com.au/pdf/LYC/03068512.pdf

[3] UN News Global perspective Human stories accessed June 2026  https://news.un.org/en/story/2025/06/1164496

[4] UN Independent International Commission of Inquiry on the Occupied Palestinian Territory, including East Jerusalem, and Israel. Accessed in June 2026 via https://www.ohchr.org/en/press-releases/2024/10/un-commission-finds-war-crimes-and-crimes-against-humanity-israeli-attacks 

[5]      Accessed June 2026 via https://www.pcbs.gov.ps/en/post-details/?postId=25974

[6]      UN News Global perspective Human stories accessed June 2026 https://news.un.org/en/story/2025/06/1164496

[7] News item accessed June 2026 via https://www.australianmining.com.au/lynas-rare-earths-signs-on-to-us-magnetics-partnership/

[8]https://announcements.asx.com.au/asxpdf/20260319/pdf/06xlcwh9ypgxhm.pdf accessed June 2026 from Lynas ASX Announcement 19 March 2026 

(翻訳責任:FoE Japan)

 

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