連続オンライントーク第15回:柏崎刈羽原発 事故時の被ばくシミュレーションはどうなっている?

福島支援と脱原発2025.5.31

上岡直見さん資料(PDF) >満田資料(PDF)

柏崎刈羽原発の再稼働について新潟県の地元同意が焦点となっています。

先般、新潟県は事故時の被ばく線量シミュレーションを公表しました。しかし、前提となる事故時の放射性物質の放出量の想定は、福島原発事故の1万分の1のレベルとなっています()。これは、先行する原子力規制委員会「屋内退避検討チーム」の手法を踏襲したからです。その結果、被ばく線量は大幅な過小評価となっています。

国際的に勧告されている一般公衆の被ばく限度は年間1ミリシーベルトです。県のシミュレーションは、過小評価であるのにもかかわらず、いずれのケースも1ミリシーベルトを、1週間で上回るエリアが生じる結果となりました。

また、いくつかのケースでは、原発の近くで、IAEAによる判断基準(実効線量100mSv/週、甲状腺等価線量50mSv/週)さえも超える結果となりました。政府の「緊急時対応(案)」(避難計画などをまとめたもの)では、大雪などの悪天候の際は、5km圏内でも自宅などで屋内退避とするとなっていますが、大量の被ばくを容認することになります。

このたび、避難問題に詳しく、「新潟県原子力災害時の避難方法に関する検証委員会」のメンバーでもあった環境経済研究所代表の上岡直見さんに、県や国のシミュレーションは何が問題なのか、万が一の事故の際、放射性物質はどのように拡散するのかについて解説していただきます。

あわせて、5月26日に開催された「院内集会&政府交渉:柏崎刈羽原発の再稼働を問う~原発事故と地震・豪雪の複合災害で避難は可能?」についてもご報告させていただきます。ぜひご参加ください。

注)福島第一原発事故における放射性物質の大気中への放出量は、さまざまな機関が推計値を出していますが、たとえば日本政府(原子力安全・保安院)による推計ではセシウム134、137の合計を約33PBq(P(ペタ)は1015)としています。一方、新潟県のシミュレーションでは、セシウム類の放出量は、ケース2(24時間後に格納容器から漏えい+フィルタベント)で3.7TBq(T(テラ)は1012、1PBq=1000TBq)となっています。

日時2025年5月30日(金)16:00-17:30
形式オンライン開催(ウェビナー)Zoom
ゲスト上岡直見さん(環境経済研究所代表)
プログラム(予定)・事故時の被ばくシミュレーションをどう見るか?(仮)…上岡直見さん(環境経済研究所代表)
・原発事故と地震・豪雪の複合災害で避難は可能? 政府交渉報告…満田夏花(FoE Japan)
・質疑
申込みウェビナー登録 – Zoom
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主催国際環境NGO FoE Japan

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