連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く 第7回「危機から希望へ ミャンマーで連邦制の未来を築く」

開発と人権

ミャンマーでは2021年2月1日のクーデター未遂以降、軍による市民への弾圧や、激化する軍と少数民族革命勢力との衝突により、国内避難民が290万人に達する混乱状態となっています。軍による弾圧で死亡した人は5,000人近くに達しています。日本はミャンマーに対して最大の援助国でありながら、未遂クーデター以降も政府開発援助(ODA)を継続しているほか、軍のビジネスに関係する事業に公的資金を供与したままで、その影響力を正しく行使しているとはいえません。また日本では、自治を求める少数民族と呼ばれる人びとの暮らす地域の状況、多様な背景を持つ人びとの声が十分に知られてきませんでした。

この連続セミナーは、「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)がプログレッシブ・ボイスと共催するもので、ミャンマーからの声を日本に伝えるため企画しました。現地の情勢や紛争の歴史的経緯、いわゆる少数民族居住地域での状況、日本政府や社会に対してミャンマーの市民社会の求めることは何かを、各地で活動してきたミャンマーの活動家・NGOスタッフなどをゲストスピーカーに迎えてお話を聞き、議論を深めていきます。

第7回「危機から希望へ ミャンマーで連邦制の未来を築く」

ミャンマー軍による違法な未遂クーデターから4年近くが経ちますが、ミャンマーの人びとは軍政が引き起こし、悪化させている人権・人道危機の影響を受け続けています。この一年で、軍政の民間人に対する甚だしい暴力は悪化する一方で、2024年1月から8月までだけでも1,639件の空爆が行われました。軍の暴力により300万人以上が国内避難民となっています。この数字はおそらく国連人道問題調整事務所による過小評価であり、実際の避難民数はずっと多いと思われます。それにもかかわらず、日本を含む国際社会は、ASEANと、効果のない「5つのコンセンサス」の陰に隠れ、ミャンマーでの危機の解決に取り組むために具体的な行動をとっていません。しかしながら今日、包摂的な連邦民主制を求めるミャンマーの人びとの革命は現場で勝利しています。ボトムアップの連邦制を構築し、切望される公共サービスを提供するため、人びとが主導する統治機構が国の解放地域の全域に出現しています。

「連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く」最終回の今回は、プログレッシブ・ボイス会長のキンオーンマー氏と、カレンニー州暫定執行評議会第二書記のバニャークンアウン氏に、ミャンマーで続く危機と、草の根から連邦民主生を築くための人々のたゆみない努力について伺います。また、連続セミナーの締めくくりとして、ミャンマーへの最大の人道支援国である日本政府がミャンマーでの危機に取り組み、ミャンマーの人々を効果的かつ建設的に支えるためにどのような方向性があるか、意見を伺います。

日時2024年12月12日(木) 19:00-20:30
会場オンライン開催(ウェビナー)Zoom
言語英語(日本語同時通訳付き)
参加費無料
申込zoomのシステムから登録をお願いします>登録サイト
スピーカーキンオーンマー氏(プログレッシブ・ボイス会長)
バニャークンアウン氏(カレンニー州暫定執行評議会第二書記)
共催「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)、プログレッシブ・ボイス
問合せ先メコン・ウォッチ info@mekongwatch.org
参考Federalism from the Group Up: The Karenni Model of Nation-State Building, Progressive Voice

スピーカー略歴

キンオーンマー氏:民主化・人権活動家、プログレッシブ・ボイス創設者・会長。ミャンマーの学生たちが全国規模の民主化蜂起を率いた1988年から、自身も大学生としてミャンマーの民主化運動に関与参加。以来、海外を拠点にミャンマーにおける人権や民主主義、正義、平和のための活動を続けている。ミャンマーに連邦制の民主主義がもたらされることをめざして活動する調査・政策提言団体であるプログレッシブ・ボイスの創設者であり会長を務める。プログレッシブ・ボイスは、ミャンマーにおける民主主義と人権を求める諸団体の連合であったビルマ・パートナーシップを前身とする。
バニャークンアウン氏: カレンニー民族の人権活動家であり、元難民。国外を拠点とする民主化運動や市民社会運動で複数の役職に就いていた。社会学を学んだのち、イクオリティ・ミャンマー(HREIB: ビルマ人権教育研究所と FED: 教育開発協会を前身とする)で勤務。カレンニー人権団体(KnHRG)の創設者であり、6月まで会長を務めていた。未遂クーデター以降はカレンニー州諮問評議会(KSCC)の人道支援担当者として市民社会を代表。現在はカレンニー州暫定執行評議会(IEC)の第二書記を務める。

 

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