連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く 第2回「闇を払う ミャンマー警察官が抵抗運動に加わるまで」

開発と人権

 ミャンマーでは2021年2月1日のクーデター未遂以降、軍による市民への弾圧や、激化する軍と少数民族革命勢力との衝突により、国内避難民が200万人に達する混乱状態となっています。軍による弾圧で死亡した人は既に4千名を超えました。日本はミャンマーに対して最大の援助国でありながら、未遂クーデター以降も政府開発援助(ODA)を継続している他、軍のビジネスに関係する事業に公的資金を供与したままで、その影響力を正しく行使しているとはいえません。また日本では、自治を求める少数民族と呼ばれる人びとの暮らす地域の状況、多様な背景を持つ人びとの声が十分に知られてきませんでした。
 この連続セミナーは、「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)がプログレッシブ・ボイスと共催するもので、ミャンマーからの声を日本に伝えるため企画しました。現地の情勢や紛争の歴史的経緯、いわゆる少数民族居住地域での状況、日本政府や社会に対してミャンマーの市民社会の求めることは何かを、各地で活動してきたミャンマーの活動家・NGOスタッフなどをゲストスピーカーに迎えてお話を聞き、議論を深めていきます。

第2回「闇を払う ミャンマー警察官が抵抗運動に加わるまで」

 2021年2月1日の失敗クーデター以降、ミャンマーの警察は、ミャンマー軍とそれを率いる戦争犯罪人であるミンアウンフラインに全面的に支配されています。軍に対する抵抗運動が強まるなか、これまでに何千人もの兵士や警官が任務を放棄し、市民不服従運動(CDM)に加わってきました。CDMは、連邦民主制をめざすミャンマーの「春の革命」を支える重要な柱ですが、日本ではまだよく理解されていません。
 「連続セミナー:ミャンマーからの声を聞く」第2回は、ミャンマー警察で特別連絡調整官を務めていたチョーサンハン氏をゲストに迎え、市民不服従運動(CDM)に加わった元警官の独自の視点からミャンマーの危機について語っていただきます。チョーサンハン氏には、ミャンマー警察内での経験や、軍の体制内にいたところからCDMに加わりミャンマーを離れるという大きな決断をするに至った経緯を伺います。また、ミャンマーの未来についての期待についても語っていただきます。
 警部という地位に就いていたチョーサンハン氏は、軍や警察の活動のほか、ミャンマーで続く危機的状況について貴重な知識をお持ちです。軍による残虐行為に抗議する勇気があり、また、アウンサンスーチー氏率いる民主政府で上級顧問を務めていた著名な経済学者で、クーデター未遂後に2年近くもミャンマーの刑務所に収容されていたショーン・ターネル氏を支えたことから、チョーサンハン氏にミャンマーのよりよい未来と民主主義をめざす決意があることは明らかです。私たちは、警官だったチョーサンハン氏が日本で庇護申請をするに至った経緯を知ることを通じて、日本政府のミャンマーに対する姿勢、なかでも政府開発援助(ODA)の継続と、それがミャンマーの人びとが直面する危機に及ぼす影響を冷静に検討することができるでしょう。

日時

2024年1月19日(金) 19:00-20:30

会場

オンライン開催(ウェビナー)Zoom

言語

英語(日本語同時通訳付き)

申込

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スピーカー

チョーサンハン(Kyaw San Han)氏

スピーカー略歴

イラワディ管区域生まれ。サイクロン・ナルギスで被災したのち、文民の支援や救済をめざして2008年にミャンマー警察に入る。その後タイ王国警察士官学校で研修を受け、オーストラリアのフリンダーズ大学で修士号(国際関係)を取得。民主主義を支持しており、2021年の未遂クーデター後は抗議行動者を逮捕せよとの軍政の命令に従わなかった。タイ経由で22年12月に日本に逃れ、23年7月に難民として認定される。

お問い合わせ

メコン・ウォッチ info@mekongwatch.org

共催

「#ミャンマー軍の資金源を断て」キャンペーン団体(メコン・ウォッチ、アーユス仏教国際協力ネットワーク、国際環境NGO FoE Japan、日本国際ボランティアセンター、武器取引反対ネットワーク)、プログレッシブ・ボイス

参考

「国民を守るため軍に入ったのに国民を殺していた」地位も将来も捨ててミャンマーを逃れた元軍人と警察官ら(2023年10月1日付東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/280839
「国軍が家族をミャンマーに連れ戻し人質にしようと…」 日本が難民認定した元警官 安全求め支援訴え(2023年11月27日付東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/292374
Press conference: Blowing the whistle on Myanmar’s junta by Kyaw San Han, Sean Turnell, Toru Kubota & Yuki Kitazumi (Foreign Correspondents Club of Japan, November 20, 2023)
https://www.youtube.com/watch?v=595IuN893jk&t=24s
New law brings Myanmar police under junta control (Radio Free Asia, November 30, 2023)
https://www.rfa.org/english/news/myanmar/police-03302022152802.html
Civil Disobedience Movement: A Foundation of Myanmar’s Spring Revolution and Force Behind Military’s Failed Coup (Progressive Voice, May 25, 2023)
https://progressivevoicemyanmar.org/2023/05/25/civil-disobedience-movement-a-foundation-of-myanmars-spring-revolution-and-force-behind-militarys-failed-coup/

 

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