オンラインシンポジウム「未来の交通インフラが環境破壊!?〈シリーズ第2弾〉~リニア・北海道新幹線のトンネル残土の問題~」
持続可能な社会の実現のために抜本的な社会経済システムの転換が急がれる中、人々の生活や地域経済と密接に関係する交通のあり方にも、環境・社会に優しく誰もが安心安全に利用できることが求められます。しかし、政府が進める「未来の交通」とは、半世紀以上前に経済発展や技術競争を優先して計画された自然破壊や地域社会の崩壊を招く、時代に逆行する大型開発事業ばかりです。新幹線延伸やリニア中央新幹線は、水脈の分断や生態系破壊、そして多くの人々の暮らしを脅かしながら、誰のために開発し、誰が利用し、誰がその代償を負うのでしょうか。
この度、高速鉄道開発に伴う問題を提起するオンラインシンポジウムの第2弾を開催します。今回のテーマは、リニア中央新幹線、北海道新幹線の工事により発生するトンネル残土です。災害の誘発、重金属による汚染リスク、処分場所確保、運搬ルートの問題等、トンネル掘削に伴い、現在、今後も発生する膨大な残土の処理にどのような問題が生じるのかを事例を通して見ていきます。
イベント詳細
【日時】2023 年8 月25 日(金)19:00~21:30
【開催方法】オンライン会議システムzoomを使用
【参加費】無料
※本イベントは終了しました。当日の報告資料は以下でダウンロード頂けます。
〈プログラム〉
1.解説・論点整理「トンネル残土とは」 樫田 秀樹氏(フリージャーナリスト)
2.事例① 北海道新幹線トンネル工事で発生する「有害掘削土」を生活圏に保管する危険性について 福盛田 勉氏(手稲山口の新幹線工事要対策土から星置と周辺地域を守る会会長)
3.事例② 長野県豊丘村でのリニア残土処分は危険すぎる 原 章氏(豊丘村住民)
4.事例③ 「重要湿地」に残土処分計画~揺れる岐阜県御嵩町から 井澤 宏明氏(フリージャーナリスト)、岡本 隆子氏(御嵩町町会議員)
【主催・問合せ】 FoE Japan(問合せフォームはこちら)
※本事業は、パタゴニア環境助成金プログラムの助成を受けて実施しました。
講演者プロフィール
樫田 秀樹氏: フリージャーナリスト。大手メディアの報道ではこぼれ落ちる、その地域に生きる人たちの声を丹念に拾い上げることを大切にしながら、環境問題や社会問題を扱う。リニア中央新幹線については1999年から20年間にわたって取材。著書「悪夢の超特急 リニア中央新幹線」は2015年度JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞を受賞。
福盛田 勉氏: 手稲山口の北海道新幹線工事要対策土から星置と周辺地域を守る会(略称:星置と周辺地域を守る会)会長。 当初候補地に反対する「有害掘削土から手稲の水と安全・健康を守る会」に参加。猛烈な反対運動が続き、突然候補地が「山口地区(市有地のゴミ処理場)」に決まった事をうけ、隣接する星置住宅地住民有志で「会」設立。会長辞任で会長に就任。年金生活者。元大学図書館職員。
原 章氏: 長野県豊丘村在住。リニア新幹線伊那山地トンネル、坂島工区と戸中・壬生沢工区から出る工事残土は、主に天竜川の支流である豊丘村の虻川の上流の本山と戸中と言われる谷や沢に盛土して処分される。工事は既に開始。虻川下流域に住む者として、それから本山では地権者団体の一員として、「危険だからやめてもらいたい」と地域全体の動きに抗しながらずっと主張してきた。この地域は昭和36 年に「36 災(さぶろくさい)」と呼ばれる大変な豪雨災害も経験。
井澤 宏明氏: フリージャーナリスト。岐阜県在住。元読売新聞記者。共著に「『表現の不自由展』で何があったのか」「リニアはなぜ失敗したか」(いずれも緑風出版)。子育て生活情報誌「にらめっこ」http://niramekko.com/web/で「夢か悪夢かリニアが通る!」を連載中。月刊環境情報誌「グローバルネット」(地球・人間環境フォーラム)での連載も予定している。リニア取材では映像撮影も行っているが、編集に手が回らず途方に暮れている。
岡本 隆子氏: 1995年頃から産業廃棄物処分場問題に取り組む。元御嵩町長柳川氏襲撃事件後の住民投票に関わる。その後町議会議員なり、現在7期目。
参考
録画動画・資料:オンラインシンポジウム〈シリーズ第一段〉「未来の交通インフラが環境破壊!?~リニア・北海道新幹線・北陸新幹線の現場から~」