【賛同のお願い】共同声明 クーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を
本声明「ミャンマークーデターから2年 日本政府は対ミャンマー政策の再構築を」は、2023年2月1日に日本政府に提出予定で、共同声明への賛同を募集しています。個人でご記入いただいた方のお名前は、オンライン上で公開はいたしませんが、日本政府提出版には記載されますこと、ご了承ください。(賛同締め切り:2023年1月31日午後3時)
2023年2月1日
2021年2月1日にミャンマー国軍が引き起こしたクーデター以降、同国では国軍や警察による民間人に対する暴力が継続し、多数の死傷者及び拘束者が発生している。国連の12月初旬の報告によると、ミャンマーには推定147万3千人の国内避難民(IDP)がおり、そのうち、クーデター以降に新たに避難民となった人は114万3千人にも及ぶ。また、国軍の無差別砲撃や空爆により、子どもを含む多数の民間人が死傷している。弾圧に追い詰められ、武器を手にした若者も少なくなく、各地で武力衝突が発生し、事態は混迷を極めている。このような事態に陥った原因は、ミャンマー国軍が選挙で国民の圧倒的な支持により選ばれた政府を打倒したことにある。日本政府はクーデター以降、ミャンマー国軍に対し、暴力の即時停止、拘束された関係者の解放、民主的な政治体制の早期回復を求めている。しかしこの2年間、日本政府の呼びかけは何ら効果を上げていない。それどころか、日本政府のミャンマーに対する働きかけには大きな矛盾がある。
国軍が選挙で選ばれた政府を倒した後も、日本政府は、二国間の約束に基づくはずの政府開発援助(ODA)を継続している。更に、2022年に経済開発担当の内閣官房内閣審議官がミャンマーを複数回訪問し、国軍の設置した国家統治評議会(SAC)の高官と面会もしている。そのうえ、会談内容は明らかにされていない。このような日本政府の対応は、国際法に違反し人権侵害を続ける国軍と日本政府の親密な結びつきを想起させ、ミャンマーの市民から批判を受けている。またSACとの経済的な関係を維持することは、平和、自由、平等、民主主義、人権、法治などの「普遍的な価値」を外交の柱に据えていると標榜する政府方針とも矛盾している。これらを踏まえ、私たちは以下の点を強く要請する。
1. ミャンマー国軍が暴力を停止し、恣意的に拘束した全ての人々を解放し、かつ、国民民主連盟(NLD)関係者や民主化を求める市民、少数民族武装勢力等も含めた対話の上で、民主化移行プロセスへの復帰を具体化するまで、ODAなどの政府による経済協力は一旦これを全て停止すべきである。
2. 国軍とその上層部は、軍系企業とその経済網から莫大な利益を得ていることが明らかとなっていることから、国軍や国軍系企業の関与するビジネスは日本の官民共にこれを停止すべきである。
3. ミャンマー国軍がクーデター以前から長期にわたり、民主主義を求める市民やビルマ民族以外の自治を求める民族、宗教マイノリティに対して、凄惨な暴力を行使し、その権力を維持してきたことをあらためて認識した上で、今後の対ミャンマー政策を再構築すべきである。
4. ミャンマーの市民の支持する国民統一政府(NUG)や少数民族地域の各グループ、また市民グループなど幅広いステークホルダーと対話し、生存を脅かされている避難民へ国境を越えた援助ができる体制を、日本政府が国際社会と共に築いていくことを強く求める。
いわゆる2011年の民政化は、軍事政権が制定した2008年憲法の下で、内務、国境、国防などの武装組織を指揮する省庁は国軍の支配下にあり、選挙によって選ばれた文民主導の政府との間で権力を分担する不十分な民主化でしかなかった。それにも関わらず、日本は官民共に経済的な支援を優先し、ミャンマーの真の民主化を求めてこなかった。それ以前の1990年代から、日本は官民でミャンマーの海上ガス田開発に関与し、当時の軍政に莫大な利益をもたらしてもいる。このことを私たちも含め深く反省する必要もある。その上で、ミャンマーの人々との新たな関係を築く努力を始める時である。
呼びかけ団体/呼びかけ人(順不同):
メコン・ウォッチ
アーユス仏教国際協力ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan
日本国際ボランティアセンター(JVC)
武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
大河内秀人(見樹院住職・INEBメンバー)
亀山 仁 (写真家)「ミャンマーの人たちの望む国づくりをサポートする日本であってほしいと思います。」
佐々木 寛 (新潟国際情報大学教授(政治学))「ミャンマーの市民と民主主義に連帯します。」
佐伯 奈津子 (インドネシア民主化支援ネットワーク)
清水 雅彦 (日本体育大学教授(憲法学))「全世界国民の平和的生存権を保障する憲法を研究する者として、この声明を呼びかけます。」
瀬戸 大作(一般社団法人反貧困ネットワーク事務局長)
髙坂 勝 (NPO SOSA PROJECT)
竹信 三恵子 (ジャーナリスト)
武田 隆雄 (日本山妙法寺僧侶)
高原 孝生 (明治学院大学教員)
筑紫 建彦 (憲法を生かす会)
中尾 恵子 (日本ビルマ救援センター代表)
永井 浩 (ジャーナリスト)
永山 茂樹 (東海大学教員)
根本 敬 (上智大学教授)「日本政府がいまのままの姿勢をミャンマーに対して維持するとなると、「先進民主主義国家」の名を汚しかねない事態に至ります。ミャンマーの国民と共に立つしっかりした民主的な外交姿勢が求められます。」
村主道美(学習院大学 法学部教授)
守屋 友江 (南山宗教文化研究所)
稲葉 剛 (立教大学大学院客員教授)
纐纈 厚 (明治大学国際武器移転史研究所客員研究員)
太田 昌国 (評論家・編集者)
雨宮 処凛 (作家・活動家)
湯川 れい子 (音楽評論家・作詞家)
吉髙 叶 (NCC日本キリスト教協議会議長)
昼間 範子 (日本カトリック正義と平和協議会事務局)
渡邊 さゆり (アトゥトゥミャンマー支援 共同代表)
平良 愛香 (日本基督教団川和教会牧師)
飯塚 拓也 (日本キリスト教協議会東アジアの和解と平和委員会)
岡田 隆法 (真言宗豊山派)
秋林 こずえ (同志社大学 教員)
畠山 澄子 (ピースボート)
飯島 滋明(名古屋学院大学教授 憲法学・平和学)
中野 晃一 (上智大学教授 )
武井 由起子 (弁護士)
大野 和興 (日刊ベリタ編集長)
東澤靖(明治学院大学法学部教授・弁護士)
志田陽子(武蔵野美術大学造形学部教授)
賛同(団体):
アジア女性資料センター
RAFIQ (在日難民との共生ネットワーク)
ミャンマーの人たちを支援する有志の会
ミャンマーの今を伝える会
ミャンマー(ビルマ)の市民の訴えを聞く会
NPO法人 久留米地球市民ボランティアの会
研究所テオリア
日刊ベリタ編集委員会
認定NPO法人 世界の子供にワクチンを 日本委員会
豊川いのちと未来のネットワーク
地雷廃絶日本キャンペーン
NPO法人ビラーンの医療と自立を支える会
公益財団法人アジア保健研修所(AHI)
NPO法人地球の木
熱帯林行動ネットワーク (JATAN)
アジア開発銀行福岡NGOフォーラム
医療と福祉の戦争協力に反対する連絡会議
日本カトリック正義と平和協議会
緑の党グリーンズジャパン
基地のない沖縄をめざす宗教者の集い
平和をつくり出す宗教者ネット
日本山妙法寺
カトリック大阪大司教区社会活動センター・シナピス
エナガの会
ポレポレ佐倉
ミャンマー民主化を支援する信州の会
日本ビルマ救援センター
連絡先
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
〒110-0016 東京都台東区台東 1-12-11 青木ビル 3F
info@mekongwatch.org