【プレスリリース】国内環境団体、石炭火力発電事業を続ける三菱商事の主要株主98機関にダイベストメントを求める要請書を送付

脱化石燃料

国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
メコン・ウォッチ
国際環境NGO 350.org Japan
気候ネットワーク

 上記国内の5つの環境団体は三菱商事株式会社の主要株主98社に対し、ベトナムでの新規石炭火力発電事業を続ける三菱商事に対するエンゲージメント、および必要に応じて投資撤退(ダイベストメント)を行うことを求める要請書を送付しました。三菱商事の株主に対し、環境団体からダイベストメントを求める要請書を送るのは3月に続き2度目になります。

 ブンアン2石炭火力発電事業は、ベトナム中部のハティン省に600メガワットの超々臨界圧の発電設備を2基建設するものです。この間、同事業に関して、投資家などから懸念の声が挙げられています。北欧最大の機関投資家Nordea Asset Managementは、アムンディ、AP7、アリアンツ等、他の機関投資家と連名で、同事業に関与している(もしくは関与するとされる)公的金融機関や企業に対して10月に書簡を送ったことを明らかにしています(1)。

 また、米国のシンクタンクであるエネルギー経済・財務分析研究所(IEEFA)が発表した分析(2)では、売電先のベトナム電力公社(EVN)の財務リスクが指摘されており、その要因の一つとして、石炭火力IPP(独立系発電事業者)に対する一定額の支払いを保証する電力購買契約が挙げられています。

   世界中で気候変動の被害が広がっています。今年、ベトナム中部には1ヶ月の間に4つの台風が上陸し、洪水など大規模な被害をもたらしました。新規に石炭火力発電所を建設することは、パリ協定のもとで定められた、世界全体の気温上昇を産業革命前に比べ2℃よりはるかに下回る水準に抑え、1.5℃に抑える努力を追求するとした気候変動目標に反するものです。気候危機がベトナムを含め各地で深刻になっている現状を踏まえても、新規の石炭火力発電所の建設は即刻中止する必要があります。

 要請書は、投資家に対して、

  • 三菱商事に対し、株主の立場からブンアン2石炭火力発電事業から撤退するよう求めること、特に株主総会にて、同事業からの撤退を求める株主提案を行うこと
  • 上記エンゲージメントを行っても、三菱商事が石炭火力発電事業から撤退しない場合は、三菱商事からのダイベストメントを行うこと

 を求めています。


 私たちは、引き続き、三菱商事やその株主に対してブンアン2事業から、さらには三菱商事が関わるすべての石炭火力発電事業からの撤退を含めた脱石炭の推進を求めていきます。

注釈:
[1] Nordea Asset Management, Enquiry regarding the Vung Ang 2 coal-fired power plant project in Vietnam, October 2020
https://www.nordea.lu/documents/static-links/Nordea_CEO_letter_on_climate_coal_phase_out_Vung_Ang_2.pdf/
[2] Institute for Energy Economics and Financial Analysis (IEEFA), Vietnam’s EVN Faces the Future: Time to Get Renewables Right, September 2020
https://ieefa.org/wp-content/uploads/2020/09/Vietnams-EVN-Faces-the-Future_September-2020.pdf

ブンアン2石炭火力発電事業

ベトナム中部ハティン省の経済区に建設が予定されている石炭火力発電所。2007年に事業会社が設立されたものの建設には至っておらず、その間にベトナムでは再生可能エネルギーが拡大した。コロナ以前の事業者の予定としては、2020年に建設開始、2024年に稼働開始。
事業規模:1,200メガワット、超々臨界圧
総投資額:22億ドル(約2,500億円)
事業者:Vung Ang 2 Thermal Power Company(VAPCO)。 VAPCOは、OneEnergy Asia Ltd.が100%出資する特別目的事業体(SPV)。
融資機関(見込み):三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行、国際協力銀行(JBIC)

 

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