福島原発事故に関するメッセージ
東北地方太平洋沖地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。また、避難生活を過ごしていらっしゃる方々、現地で救援活動に従事されている方々、原発事故の被害を最小限にくい止めるため日夜を問わず対応に当たられている皆様に対して、心からの敬意とエールをお送りさせていただきます。
今回の地震による福島第一原子力発電所における事故は、残念ながら、現在までの日本政府および電力各社による原子力の安全性に関する説明を、最も極端な形で否定したものとなってしまいました。
現地で活動されている関係者の対応を精一杯応援するとともに、いまこそ、各分野における専門家や専門性を有するNGO/NPO および市民の知力を結集することが重要だと考えています。
そのためにも、日本政府、東京電力、原子力関連機関、地方公共団体に対しては、現地で刻々と変化する原発の状況に加え、放射線量および放射性物質およびその予測に関する情報の迅速な開示を求めます。
FoE Japanは、かねてから、原発を利用しなくてもよい低エネルギー型の社会づくりや、日本の公的資金による途上国などへの原発輸出に歯止めをかけるための活動に取り組んできました。今回の事故は、原子力に偏った日本のエネルギ―政策の帰結であると考えます。
今後、日本に限らず、国際的にも自国内の原発政策、海外への原発輸出の問題について動きが出てくると思われます。そのためには、エネルギー多消費型の経済・社会のあり方を根本から見直す必要があるのではないでしょうか。私たちとしても、皆さまとともに、これから一層、脱原発および自然エネルギーの一層の推進に向けて国内および国際的な議論に貢献していきたいと考えています。
被災地の皆さま、避難されている皆さま、原発の周辺で対応に当たられている皆さま、そして日本全国の皆さまのご無事と、事態が好転し、平穏な日々をとりもどせることを祈願しつつ。
2011年3月18日
FoE Japanスタッフ一同