温暖化と森林
吸収源・REDD等の森林に関連するルール作りについて森林NGOの視点
2009年10月 環境大臣面会提出資料
2013年以降の次期枠組みにおける気候変動枠組み条約締約国の温室効果ガス削減手段には、先進国での森林等吸収源に加え、途上国における森林減少・劣化の防止による排出削減対策(REDD)を用いる方向で検討されています。
京都議定書の第一約束期間での先進国の削減目標交渉では、先に数値目標を設定し、その後にその数値を達成するため、土地利用・土地利用変化と林業分野(LULUCF)の利用や計測に関するルール(以下、吸収源ルール)を交渉で決めたため、目標数値を簡単に達成できるようなルール作りが行われました。
結果、過大な吸収量利用が認められ、一部の国の吸収量利用の上限が高く設定されたことで他のセクターの削減目標設定が緩くなったケースや、実際に大規模な森林減少・劣化による排出量を京都議定書の下で報告せず、目標数値に反映しなくてもよいケースが生まれました。
吸収源ルールは設定次第では、①本来行うべき化石燃料由来の温室効果ガス(GHG)排出削減を行わずに、目標値が達成されることになりかねません。また、②森林の炭素固定能力のみが評価される結果、自然生態系の人工林への転換や地元コミュニティの共有林へのアクセスが制限されることが懸念されます。
GHG削減のための国際ルールが真に気候変動の防止に寄与し、森林に悪影響を与えないため、FoE Japan、気候ネットワーク、熱帯林行動ネットワーク(JATAN)は、吸収源・REDD等の森林に関するルール作りについての意見をまとめました。
意見書はこちらからご覧ください。
>吸収源・REDD等の森林に関連するルール作りについてNGOの視点(2009年9月)
[項目]
○吸収源・REDDルールは化石燃料由来の排出削減努力を緩めないこと
-厳格な吸収源ルールの必要性
-森林伐採による排出の厳格な計上
-REDDクレジットへの懸念○吸収源・REDDルールは、森林生態系が人工林や農園などへ転換されることを促進しないこと
-森林定義の改善
-REDD -plusについて○持続可能な森林経営を後押しする吸収源・REDDルールを