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フェアウッド・パートナーズ
コミュニティ林から国際市場へ、日本とインドネシアつなぐ里山材家具
活動場所:インドネシア中部ジャワ・ジョグジャカルタ州グヌンキドゥル県
活動主体:有限会社テラス、すわ製作所、フェアウッド・パートナーズ
のどかなグヌンキドゥルの農村風景 |
”農耕不適地”の岩がちな土壌に育つチーク |
インドネシアのジャワ島では、農地開発された国有林を森林に戻そうと、政府主導で住民参加型の植林活動が行われてきました。しかし植林地では、森林保全に対する住民の意識が薄く、管理が十分に行われず、違法伐採などの問題が発生していました。
一方、民有林では近年、住民自身が森林を保全しつつ利用する森林経営「コミュニティ林業」が実施され、注目されています。コミュニティ林業は、木材利用についても自分たちで計画を立てて管理・運営することで、住民の森林保全に対する意識を高める効果があるといわれています。
トレーサビリティもきちんと確保 |
ジャワ島のグヌンキドゥル県には、住民がコミュニティ林業を行っているチークやマホガニーの植林地があり、インドネシア・エコラベル協会の森林認証を取得していました。
しかし国内には認証材の市場がなく、国外の市場開拓もできていなかったため、認証材としての付加価値がつかないまま安価で販売されており、そのままでは持続可能な森林管理を続けることが難しい状況に直面していました。
フェアウッドパートナーズでは、日本のガーデン家具メーカー「テラス」と現地NGO「アルパ(ARuPA)」とともに、村人が持続可能な森林管理を続けるしくみづくりを目的に、グヌンキドゥルの森林からの認証材を活用した家具を作製し、日本の市場で販売するプロジェクトを2008年から開始しました。
貯木場で丸太の質と長さ・太さをチェック |
このプロジェクトは、フェアウッドパートナーズがテラスとアルパとの調整や村人の木材加工技術向上のための企画・運営を行い、アルパが日本側と現地コミュニティとの調整、森林認証を保持していくための経営サポート、組合組織の強化、村人の木材加工技術トレーニングなどを行い、テラスは製品開発とマーケティングを担当しています。
●持続可能な森林管理へ、経済面での自立を支援
プロジェクトの特徴は、持続可能な森林管理・保全を行おうとしている地元住民に、経済面での自立を促すための支援をする点です。また、産出木材に現地で付加価値をつけた製品を、テラスが海外市場である日本へ送り出すという、マーケティングを織り込んだ点も特徴です。
プロジェクト関係者 |
「生産者であるインドネシアの村人の顔が見える、生産地の森とのつながりを感じられる家具」として紹介し、住民が自ら森を守りながら木材を使い続ける試みを伝えています。
これまで木材を輸入しながら、生産地や生産者の情報はほとんど最終消費者に届くことはありませんでした。熱帯林をはじめとする森林が減少していることは知っていても、持続可能な管理が行われている森林から産出された木材や家具を選ぶための情報は限られているのが現状でした。
このプロジェクトで製作された家具は、森林の管理状況や村人とのつながりも価値の一つとして取り込んだものです。それが森を持続可能な形で利用する、生産者と消費者の新しい関係をつくると考えています。
アウトドア派にはピッタリのグヌンキドゥル産チークのスツール (意匠:眞田大輔(すわ製作所)) |