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インドネシア・バタン石炭火力発電事業
インドネシア・バタン石炭火力発電事業に関する国会質疑内容(2015年3月25日)
参議院・本会議(2015年3月25日)
>ウェブTVの映像はこちら https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
● 尾立源幸議員 (民主党・新緑風会) [発言部分:ウェブTV 33:45 - 36:14]
最後に、外交について指摘したいと思います。
安倍総理は、就任以来積極的に外国を訪問しておられ、訪問国は54か国地域、のべにすると66か国・地域にのぼります。訪問の際に、総理は様々な資金援助の約束をしておられ、単純集計するとその額は2013年には9,110億円、2014年には1兆5,200億円にものぼります。資金援助は外交の重要なツールの1つですが、お土産をばらまくことで訪問国から相手にしてもらうのではなく、何より大切なことは相互の信頼関係に基づいて外交を行うことだと考えます。
この資金援助が、相手国に問題を引き起こすこともあります。一例をあげると、インドネシア・バタン石炭火力発電事業はJBICによる融資が検討されていますが、現地において多くの人々が反対をしており、インドネシア国家人権委員会も土地買収を巡って人権侵害に関する勧告を出しています。このような状況は、JBICの融資のガイドラインである「社会的合意」に反していませんか。
今日までインドネシア大統領が来日しておられますが、人権侵害の指摘も含めて、バタン石炭火力発電事業について現状をどのように把握し、今後どう対応するのか、JBIC所管大臣として財務大臣の見解を伺います。折角、日本の貴重なお金を使ってもニーズに合わない支援を行うことは、なんの感謝もされないばかりか、むしろ反発されてしまいます。お金を出すのが一番楽な方法ですが、簡単にお金をばらまき未来につけを残すのではなく、我が国の素晴らしい知恵と工夫と誠意を最大限活用して世界に貢献しようではありませんか。あらためて将来世代につけを残さず、借金を先送りせず、限られた日本のお金をより活かす形で使うべきであることを申し上げて、私の質問を終ります。
● 麻生財務大臣 [発言部分:ウェブTV 45:56 - 46:30]
最後に、国際協力銀行JBICがインドネシアで融資を検討している事業に関してのお尋ねがありました。
国際協力銀行におきましては、同行が定める環境社会配慮確認のためのガイドラインに則って、融資を行なうことになっていると承知を致しております。財務省としては、所管官庁として、国際協力銀行JBICがこのガイドラインに則り、引き続き現地住民の声を聞き、適切に環境社会配慮確認を行なうよう監督してまいりたいと考えています。
(以上)