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インドネシア・バタン石炭火力発電事業
現地報道:日本にてバタン住民、石炭火力発電所に反対キャンペーン
東京からの報告
東京に飛び、中ジャワ州バタン県住民、石炭火力発電所への投融資を拒否するよう日本に求める
AN Uyung Pramudiarja
2014年9月9日
出所:https://finance.detik.com/read/2014/09/09/092933/2684917/1034/terbang-ke-tokyo-warga-batang-jawa-tengah-desak-jepang-tolak-danai-pltu
中ジャワ州バタン石炭火力発電所建設への賛成・反対はいまもつづいている。東南アジア最大の発電所事業を拒否する住民代表は、投融資をおこなう主体との面会を求め東京に飛んだ。
「住民のなかでの賛成・反対はいまも起きている。(事業を)強行するなら、このような社会的不和はずっとつづくだろう」中ジャワ州バタン県カランゲネン村の住民ロイディは、9月8日夜、東京・新宿でdetikFinanceの記者に語った。
以前報道されているように、1000MW(※正しくは1000MW×2)の発電容量をもつ火力発電所建設への賛成・反対は、周辺住民の調和にも影響を与えている。すべてが賛成しているわけではなく、環境影響や農民・漁民の生計手段への影響を懸念して、火力発電所に反対する住民もいる。
ロイディによれば、来京は、日本政府に対し、JBICを通じて、バタン石炭火力発電所事業に資金供与するのを中止するよう求めるためだという。同様の希望は、電源開発と伊藤忠にも伝えられる。
JBIC(※正しくは現地事業主体のビマセナ・パワー・インドネシア社=伊藤忠・電源開発・アダロ社のコンソーシアム)によって最近出された不可抗力宣言に関連し、グリーンピース東南アジア気候変動・エネルギー・キャンペーン担当アリフ・フィヤントは、駆け引きがおこなわれないよう望んでいる。すでに2回延期されているが、アリフは今回、バタン石炭火力発電所が本当に中止になるよう期待するという。
「10月6日が、この事業の融資調達期限となっている。JBICが自身のガイドラインを守り、住民が土地収用を拒否するなら、バタン石炭火力発電所への融資を中止すると楽観視している」ロイディともうひとりの住民タリウン(ポノワレン村)に付き添ったアリフは述べた。
グリーンピースの調べでは、インドネシアには計画中のものも含めて、現在117の石炭火力発電所計画があり、そのひとつがバタン石炭火力発電所である。バタン石炭火力発電所は、年に1080万トンのCO2を排出すると考えられており、この数字はビルマの2009年のCO2排出量と同じである。
日本にて、バタン住民、バタン石炭火力発電所に反対キャンペーン
2014年9月9日
出所:https://www.bbc.co.uk/indonesia/berita_indonesia/2014/09/140909_polemik_pltu_batang_jateng.shtml
中ジャワ州バタン県住民2人は今週、日本で、巨大開発事業・中ジャワ州バタン県の石炭火力発電所に反対するキャンペーンをおこなう。
巨大事業・バタン石炭火力発電所(総工費40億ドル)は、インドネシアの電力危機を削減するといわれているが、環境を破壊するとして反対も受けている。
「バタン住民が望んでいるのは、この石炭火力発電所事業の延期ではなく中止だ」グリーンピース活動家アリフ・リヤント(※正しくはアリフ・フィヤント)は、9月9日、電話でBBC Indonesia記者ヘイデル・アファンに語った。
アリフ・リヤントとインドネシア法律擁護協会財団(YLBHI)活動家ワヒュ・ナンダンは、日本の環境NGOの招待を受けたバタン県カランゲネン、ポノワレン村の住民ロイディとタルン(※正しくはタリウン)に付き添っている。
アリフによれば、この2つの村を代表してバタン住民2人は、バタン石炭火力発電所が環境を破壊するとして、建設に反対しているという。
「彼らは、インドネシアの石炭火力発電所のある地域で起きている破壊が、彼らの地域で繰り返されるのではないか恐れている。
彼らはたとえば、チレボン石炭火力発電所によって漁業が壊滅したのをみた。チラチャップで尋常でない健康影響をみた。これがバタンで起きないよう、彼らは願っているのだ」アリフは述べる。
○事業は継続
9月6日(※正しくは7日)に到着し、住民2人は日本政府やバタン石炭火力発電所に投資する企業に面会する計画を立てている。
加えて、YLBHIとグリーンピースに付き添われた彼らは、中ジャワ州バタンの巨大事業・石炭火力発電所建設を拒否するデモをおこなう。
このような反対運動の結果、東南アジア最大の石炭火力発電所建設計画は、2年前から建設できないままとなっている。
しかし、エネルギー・鉱物資源副相スシロ・シスウォウトモは、インドネシア政府が、日本政府も参加する事業を依然として進めるつもりだと強調する。
報告によれば、バタン石炭火力発電所周辺では、いまも13%の用地が収用されていないという。
○2つの選択肢
2014年8月中旬、300ha以上の用地における事業の障害に関連し、経済省調整会議で2つの選択肢を準備することが決められた。
第1に、事業反対に対し、政府が説得的な手段で解決を図るというものである。第2に、国有電力会社(PLN)が、土地収用問題で調整を図るというものである。
政府はまた、ほかの地域で石炭火力発電所を建設するという選択肢も準備している。
「並行して、中ジャワ州の別の地域に建設する」スシロは述べた。
2014年8月中旬、中ジャワ州知事ガンジャル・プラノウォは、住民の反対行動を受けて、ほかの地域での石炭火力発電所建設という選択肢を準備していることを認めた。
インドネシアを含めた世界の石炭依存は、環境活動家の懸念の的になっている。
専門家は、石炭が地球温暖化に多大な影響をおよぼしていると述べる。
(翻訳:インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA))