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マングローブ再生プロジェクト
7年目の活動報告 /2015年
【マングローブ植林・モニタリング】
植林したマングローブの成育状況を確認するため、継続モニタリングを実施しています。バンドゥンガン村では4月のモニタリングで80%の活着率(根付いて健康に成長している苗木)を確認しましたが、6月には60%、8月には30%にまで減少してしまいました。一方、カンダン・パンジャン村での植林では90%の苗木が健康に育っていることを確認しています。バンドゥンガン村での植林の問題を調査・検証した結果、乾季が長引いていることにより、植林地に浸水する海水の塩分濃度が高くなっていることが原因と考えられます。また、害虫の被害も確認され、有機殺虫剤を使用して被害を最小限にとどめる努力を続けています。地形や潮の流れによって気候変動の影響が異なることがわかります。マングローブは気候変動影響への適応策として期待されますが、影響の大きさや環境の変化により効果の有無が異なってくることも明らかになりました。バンドゥンガン村の場合は、浸水浸食抑制にも他の手段必要であると考えられます。
バンドゥンガン村では、広大な農地が冠水し、住民は生活環境の悪化と生計手段の喪失に苦しんでいます。住民が少しでも健康的な生活を取り戻すために必要な支援策を検討するため、プカロンガン市及びバンドゥンガン村の実態調査、パイロット事業を実施していきます。
バンドゥンガン村、カンダン・パンジャン村のマングローブ植林
【気候変動影響の実態調査】
プカロンガン市の気候変動影響を把握するため、気候変動や気象変化に関する過去のデータや研究結果を収集しています。また、経済、社会、文化への影響等を調べるため、データの検証と同時に研究者や住民から聞き取りを行っています。また、それら影響に対する行政の施策なども聞き取りを行っています。
【代替生計手段の検証】
農地の水没により失った収入の代替生計手段として、海草栽培の可能性を検証しています。プカロンガン大学の協力を得て、バンドゥンガン村にて海草の試験栽培を始めました。海草栽培計画や海藻の種類等を住民主体で協議し、2つの養殖場で試験栽培することを決定しました。今年の乾季の長期化はマングローブのみならず海草栽培への影響も懸念されました。水質の変化や塩分濃度が高くなると海藻の成長と収穫量に大きく影響されることから注意深くモニタリングしました。8月には2tの生海草(Rp.275/Kg)を収穫することができました。コミュニティの女性により乾燥を施された海草は、市場で販売されることになりました。農業が出来なくなり働く場所を失っていた女性達は、乾燥作業への参加により1日Rp.30,000の収入を得ることができます。コミュニティ内で栽培した苗のストックをグループで頒布することでより早く普及できると期待されています。
代替収入確保のために始めた海藻養殖 |