声明:柏崎刈羽原発6号機の再稼働作業再開に抗議する

東京電力は本日2月9日、柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働作業を再開します。

昨年6月以降、同機では制御棒の作動不良や警報の誤作動など5件のトラブルが相次いでいます。しかし、東電は「電流異常を検知しない」よう警報設定を変更するという場当たり的な対応で再稼働を強行しようとしています。また、昨年8月のトラブルについても、原因とされる「スラッジ(堆積物)」の詳細も解明されておらず、発表資料と説明の食い違いや原子力規制委員会の監視機能の形骸化も露呈しています。

これに対し、FoE Japan、原子力規制を市民の会、規制庁・規制委員会を監視する新潟の会の3団体は、これらの問題を指摘し、再稼働に抗議する声明を発出しました。

2026年2月9日

【声明】柏崎刈羽原発6号機の再稼働作業再開に抗議する

東京電力は2月9日、柏崎刈羽原発6号機の再稼働作業を再開します。私たちは、度重なる制御棒トラブルに対し、徹底した原因究明と対策がなされないまま稼働を急ぐ東電の姿勢に強く抗議し、再稼働の中止を求めます。

今回の制御棒トラブルと再稼働強行には、見過ごすことのできない4つの重大な問題があります。

問題1:度重なる制御棒トラブルの原因究明を放棄

制御棒は安全上最も重要な機器の一つであるにもかかわらず、2025年6月以降、立て続けに何度もトラブルが起きています。

  • 2025 年 6 月30日             制御棒の引抜きに使う電動機が正常に作動せず
  • 2025 年 8 月25日            制御棒の引抜きができないトラブル
  • 2026年1月14日             制御棒の引き抜き時に警報が鳴るトラブル
  • 2026 年 1 月17日            制御棒の引抜きを防ぐ警報が鳴らないトラブル
  • 2026年1月22日                制御棒の引き抜き時に警報が鳴るトラブル

これらのトラブルのそれぞれについて、原因究明が十分行われていません。

問題2:警報の「無効化」という、安全軽視で場当たり的対応

1月22日の原子炉起動作業中、制御棒インバータの故障警報が発報しました。これに対し東電が取った対策は、警報の設定を、電流異常を「検知しない」に変更するというものでした。

  • 判断の遅れ: 22日0時28分の発報から、所長が停止を判断した15時30分まで約15時間も低出力運転を継続。最終的な停止は発報から約24時間後であり、危機管理意識の欠如を露呈しました。
  • 不明な再発理由: 2023年にインバータを全交換した際、またその後の試験では起きなかった発報が、なぜ今になって立て続けに起きたのでしょうか。東電の説明は「設定ミス」に終始していますが、原因は不明なままです。

問題3:「スラッジ」混入問題でも徹底解明せず

2025年8月に発生した「制御棒が引き抜けない」というトラブルについて、東電の発表資料とその後の説明は矛盾しています。また、東電は問題が生じた制御棒駆動機構1本を交換しただけで、ここでも対策は場当たり的なものとなっています。

  • 資料との矛盾: 東電は10月9日付資料において、「バリやビニール片等の異物は不具合の要因になり得ない」との評価を記載しています。しかし、その後の説明では、「原因は分解点検で見つかったスラッジ等によるものと推定している」と述べました。
  • 徹底解明せず:このスラッジが、どれほどの量存在し、どのように影響したのか、なぜ当該制御棒だけに影響したのかなど、東電は解明せず、評価結果が示されることはありませんでした。

問題4:形骸化している原子力規制

原子力規制庁は、東電の発表を鵜呑みにし、原因を徹底解明しないことを是認しています。原子力規制委員会の山中委員長は記者会見で、「原因等を分析したい」としながらも「詳細を調べなければならないとは考えていない」と述べるにとどまっています。このように、問題を軽視し、事業者に追随する規制当局の姿勢は、規制の放棄と言わざるをえません。

東電も原子力規制庁も、一連のトラブルについて、制御棒の引き抜き時に発生したものであり、緊急時の挿入には問題ないとして、これを軽視する姿勢をとっています。

また、以下のような構造上の問題もあります。

柏崎刈羽原発は、原子炉の下部に数百本もの制御棒駆動用の貫通部が存在します。

制御棒を挿入するために重力に逆らって下から上に動かし、落下しないように保持しなければなりません。ひとたび重大事故が発生すると、溶融した燃料が、数百の穴から外に落下してしまいます。これは福島第一原発事故で実際に起きたことです。

柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震の際には激しい上下動にみまわれました。地震後にやはり制御棒が引抜けないトラブルが発生しましたが、詳細な原因は不明なままとなっています。

安全の要である制御棒の不具合に対し、「原因は不明だが、動かないわけではないから進める」という姿勢は、かつての福島第一原発事故を引き起こした、安全への軽視です。

柏崎刈羽原発に関しては、地震リスクが過小評価されていること、避難計画に実効性がないこと、増え続ける使用済み核燃料に解決策がないことなど多くの問題があります。また、再稼働の必要性や経済合理性にも大きな疑問があります(2026年1月21日付声明参照)。

以上のことから、私たちは、市民の安全を脅かす柏崎刈羽原発の再稼働作業の再開に断固反対します。

国際環境NGO FoE Japan
原子力規制を監視する市民の会
規制庁・規制委員会を監視する新潟の会

 

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