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岩沼市で農作業小屋を設置 ~2011年度の活動ダイジェスト~
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岩沼市でヒアリングを重ねる中で、岩沼園芸組合のメンバーで、被災した3名の野菜農家さんたちと復興拠点の設置に取り組むことになりました。
岩沼市の被災状況(岩沼市発表資料より抜粋): |
岩沼園芸組合はきゅうり農家さんの組合です。今回の震災で6名が廃業することとなり、メンバーが12名に減少し、他の方々も住宅、ビニールハウスなどに被害を受けました。
最初の協働先となったのは、そのうちの3軒の農家さん。元の住居、農地のある沿岸部から内陸に2kmほど入った土地を借り上げ、ビニールハウスを7棟再建しました。施業規模は震災前と比べて1/3ほどになりますが、収穫が早い(現金化の早い)チンげん菜の栽培から農業再建をする予定です。
以前は、住宅と農地が近かったため、道具の保管、梱包・出荷作業を現場で行うことができましたが、市街地の仮設住宅から新たな農地までは直線距離にしても2km以上離れているため、農地の近くに作業小屋が必要ということで取組みがスタートすることになりました。
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地域の協力で拠点が形に
小屋の設置場所、用途を元に打合せを重ね、震災から1年が過ぎた3月19日より設置作業を開始しました。建築家・石田信男さんの指導の下、小屋を活用する3名の農家さん、FoEスタッフ2名が中心となり土台づくりから開始です。
地面を固めて砂利を敷き、手作業で土間となる石板を敷き詰めていきます。とにかく人手が必要な中、復興に向けて活動する市民団体「がんばっと!!玉浦」のメンバーが助っ人に駆けつけてくれました。仕事が忙しい中で協力してくれたことは、本当に地域の結束の強さを感じました。
2日間の土台づくりを経て、3日目からは小屋を建てていきます。現地の大工が多忙なため、プロジェクトに共感して埼玉から駆けつけてくれた棟梁をはじめ3名の大工の指導で作業を進めていきます。高所作業や開口部などは専門家に任せつつも、外壁貼りなどは素人の手で行います。日に日に形になっていく拠点に、参加する全員が手ごたえを感じ、笑顔となっていきました。
材料となった柱には農協の倉庫で使われていた杉材を活用し、外壁の板材他には、主に宮城県南の木材を取り扱う市内の製材業者に出材を依頼したため、古材・廃材と、地域材による”FairWood”な農作業小屋です。
他にも、工具などを貸してくれた地元建設会社から、見学に訪れた近隣の方々、多くの岩沼の皆さんの関わりによって農業復興の拠点ができました。
拠点ができたことで
生産拠点ができたことで、そこから利益を継続的に生むことができます。生活再建のためには一日も早い“実入り(現金収入)”が必要です。2012年4月には早速ハウスでチンゲン菜の栽培が始まりました。
5月末には早くも収穫を迎えますが、今回設置した農作業小屋では日々の施業に必要な道具の保管、作業の合間の休憩を取ることができ、また、市場への出荷前の商品の梱包作業が行われます。農業を再建するのに必要な、農地に隣接した作業小屋として、完成の日から活躍しています。