お知らせ
セミナー 「生物多様性条約名古屋会合(CBD-COP10)報告会」 開催報告
2010年11月18日、エコギャラリー新宿で、セミナー「生物多様性条約名古屋会合(CBD-COP10)報告会」が開催されました。
名古屋で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に参加したFoE Japan研究員・スタッフ2名が報告を行いました。
最初に、FoE Japan客員研究員である宮崎正浩教授(跡見学園女子大学)が、COP10の概要およびその成果と評価について、会場の写真を交えながら報告を行いました。COP10で採択された新戦略計画(愛知ターゲット)、資金動員計画、遺伝資源の利用から生じる利益の分配(ABS)をめぐる論議等について報告しました。名古屋議定書によって達成されたこと、達成されなかったことをCBD市民連合の掲げる項目ごとにまとめ、三分の一程度しか達成されていないことを示しました。COP10で合意形成が得られたことは評価できるものの、戦略目標の達成が各国の計画及び実施に依存すること、バイオ燃料やジオエンジニアリングなどの技術に対する懸念が残ることなど、多くの課題が残されていることを強調しました。
続いて、FoE Japanスタッフの三柴淳一より、COP10と同時期に開催されたREDD+パートナーシップ閣僚級会合の報告を行いました。REDD+の概要、閣僚級会合における問題点、REDD+の仕組みに対する懸念について発表しました。会合に関する情報伝達が不十分であったこと、作業計画の枠組みについて具体的な議論がされずに事前文書に基づいて採択されたこと、資金繰りの話に走り、REDD+の本質について十分議論されていないことが挙げられました。森林の定義によっては、REDD+がプランテーションへの転換を促進し、生態系や先住民族の生活に負の影響を与える可能性があり、セーフガードを確実にする必要があることを示しました。
質疑応答においては、「COP10の会議は成功を収めたと言えるのか?」、「REDD+の議論は懸念を抱えたまま進行していくのか?」という疑問の声が挙がりました。また、アンケートからは、「(名古屋議定書の)条件の内容にがっかりした」というご意見もいただきました。FoE Japanは森林保全という視点から、REDD+、資金メカニズムの正当性を追求し、生物多様性保全につながる仕組みづくりを推進していきます。
■資料ダウンロードコーナー(いずれも PDF ファイルです)
一括ダウンロード (2.9MB)
COP10の成果とその評価 ~市民社会の視点から~
・・・宮崎正浩(国際環境NGO FoE Japan)
儀式に終わったREDD+パートナーシップ閣僚級会合
~REDD+が森林の脅威に?~
・・・三柴淳一(国際環境NGO FoE Japan)
セミナー「生物多様性条約名古屋会合(CBD-COP10)報告会」
■主催 国際環境NGO FoE Japan