お知らせ
セミナー: 第一回 ドキュメンタリー「森の慟哭」にみるサラワクの森と日本 開催報告
2010年10月1日、東京・丸の内さえずり館で「セミナー 第一回ドキュメンタリー「森の慟哭」にみるサラワクの森と日本」が開催されました。
当日は、13名の参加者でしたが、サラワクの現状が十分に伝わる内容のセミナーでした。
まずは「森の慟哭」のドキュメンタリー映像を観て、現地での現状を言葉だけでは無く、開発に反対し続ける現地の人の表情なども観ることができました。
セミナーでは、FoE Japanの三柴淳一が、サラワクの面積・人口や日本への輸出の現状、エネルギー開発計画、世界的な合法木材の動きなどを紹介しました。
2006年、日本の輸入の合板(床、壁材等に使用される)80%がサラワク産だったこと等、
サラワクと日本では木材の貿易面で非常に関係が深いと言えます。
住民の反対の声に逆行して、マレーシア全土の開発計画に基づきサラワク州政府の巨大な開発計画は進められていて、州の57%が対象、既に巨大なダムも建設済みで、これからも新たに12の水力発電ダムなどの開発計画も進められているということでした。
木材を取り巻く国際的な動向に焦点をあてると、EUでは、EU-ELEGT-VPAが確実に広がっていて、アジア地域ではインドネシア・マレーシア・中国・ベトナムで取り組まれています。この取組みは、貿易対策措置として合法性の木材を証明し、認可されたものだけが流通できるというしくみです。
一方、アメリカでは、改正レイシー法が施行され、水際措置をしています。具体的には、輸入者が違法な木材を輸入した際に罰則を受けます。
オーストラリアでも、こういったしくみに関する動きがみえてきています。
そんな中、上記の取組みと比較すると「違法木材」かどうか確認が不十分な木材でも合法として輸入している現状をみると、日本だけが低い基準になりつつあるという現実が明らかになってきました。
今後も日本の状況をウォッチしていきたいと述べました。
質疑応答では、アブラヤシの開発面積について、マレーシアでは合法にやっていると言っているのか?、日本の方針は?など、非常に活発な質問が会場からありました。
最後にサラワク・キャンペーンのトムさんから、現地の先住民の声は受け入れてもらえてないが、同じ州の人間として、情報を与えて考えてもらう必要があるという点と開発のオルタナティブ(代替案)が必要である点を訴えました。
今回のセミナーの補足説明として、伐採権の割り当てがサラワクでどうやって行われるかについて、州政府が決定していて、そこには政治と金の癒着があることを付けたしました。同団体の加藤さんからは、先住民の意思が無視されていることが問題であると訴えました。
次回の第2回セミナーでは、森に、息づくもの~サラワク先住民の物語では、私たちがもっとサラワク先住民の文化や暮らしを理解する為にCommunity Mappingを紹介します。
これは、土地を長年の間、どう使っていたかなど紹介します。
ご興味のある方は、下記ホームページで申込ができます。
https://www.foejapan.org/forest/doc/evt_101126.html
■資料ダウンロードコーナー(いずれも PDF ファイルです)
ドキュメンタリー「森の慟哭」にみるサラワクの森と日本 (3.5MB)
セミナー: 第一回 ドキュメンタリー「森の慟哭」にみるサラワクの森と日本
■主催 国際環境NGO FoE Japan、サラワク・キャンペーン委員会(SCC)