お知らせ
シンポジウム 「オランウータンの森を守れ!~生物多様性と日本の消費」 開催報告
2010年9月22日、東京ウィメンズプラザホールで、シンポジウム「オランウータンの森を守れ!~生物多様性と日本の消費」が開催されました。
海外からのスピーカーを含む5名から発表があり、74名の参加者にお集まりいただきました。 質疑では活発な意見交換が行われました。
プログラムの一番初めに、サラワクの先住民族の森林を取巻く問題を描いたドキュメンタリー「森の慟哭」が上映されました。
続いて、FoEスタッフの三柴淳一より、ボルネオの熱帯林、日本の木材輸入、サラワク州の状況、そして熱帯材を取巻く国際社会の動向について発表がありました。 日本の木材輸入がボルネオの森林に多大な影響を及ぼすことを示しました。
次に、ボルネオオランウータンサバイバル財団(BOSF)の理事長であるブンガランサラギ(Bungaran Saragih)教授博士が、ボルネオオランウータンサバイバル財団の掲げる理念を表明し、森林利用権が生物多様性保全に重要であることを強調しました。
ボルネオオランウータンサバイバル財団の会長であるトグマヌラン(Togu Manurung)博士はオランウータン保護の現場からの報告を行いました。BOSFの概要、保護したオランウータンの再導入計画、生態系復元コンセッションの対象地域などを説明しました。
続いて、ラッシュ・ジャパンの秋山映美さん が、パームプランテーションの拡大を止めるためのキャンペーン活動を紹介しました。ラッシュは、パーム油を使用しない石ケン素地ソープを発売し、環境に配慮した原材料の調達に取り組む姿勢を示しました。
最後に、ボルネオオランウータンサバイバル財団日本代表理事である宮崎林司さん が、消失する熱帯雨林の状況や熱帯雨林の重要性について発表しました。森林から恩恵を受けている人間が行動を起こすときであると、強くアピールしました。
会場からは、「現地で活動している団体の話が聞けてよかった」、「映像やデータに基づく発表で、森林破壊の状況がよく理解できた」、「スピーカーが多様でよかった」、「企業の取り組みが興味深い」、「パーム油以外の油を使うことが環境配慮につながることを明確に示すべき」、「オイルプランテーションを止めることにより失業者が増えるのでは」等の意見があがりました。
FoE Japan は、プランテーションにより影響を受けている熱帯林に着目し、生物多様性と日本の消費との関係について、調査・情報発信を続けていきます。
■資料ダウンロードコーナー(いずれも PDF ファイルです)
一括ダウンロード (9.2MB)
ボルネオの森林と日本の木材輸入
・・・三柴淳一(国際環境NGO FoE Japan)
森林利権変換によるオランウータンと生物多様性の保全
・・・Prof.Dr.Ir. Bungaran Saragih(ボルネオオランウータンサバイバル財団)
ボルネオ オランウータン サバイバル ファウンデーション
・・・Dr.E.G. Togu Manurung(ボルネオオランウータンサバイバル財団)
ラッシュが「はじめの一歩」を踏み出した!
・・・秋山映美(ラッシュジャパン キャンペーン担当)
残された森を守るために日本は行動を!
・・・宮崎林司(ボルネオオランウータンサバイバル財団日本 代表理事)
シンポジウム「オランウータンの森を守れ!~生物多様性と日本の消費」
■主催 NPOボルネオ オランウータン サバイバル ファンデーション(BOSF)日本、
国際環境NGO FoE Japan、地球・人間環境フォーラム
■後援 WWFジャパン、CBD市民ネットワーク
■協力 国際青年環境NGO A SEED JAPAN、IUCN日本委員会、熱帯林行動ネットワーク、
日本環境財団、サステナビリティ・コミュニケーション・ネットワーク(NSC)、
日本環境ジャーナリストの会(JFEJ)、コンサベーション・インターナショナル、
サステナビリティ日本フォーラム、日本消費者連盟、野生生物保全論研究会(JWCS)、
グリーンピース・ジャパン