お知らせ
公開セミナー 生物多様性と日本の消費行動 開催報告
2010年8月16日、世界銀行東京開発ラーニングセンターで「公開セミナー 生物多様性と日本の消費行動」が開催されました。
当日は、定員を上回る120名もの参加者があり、活発な議論が交わされました。
セミナーでは、 地球・人間環境フォーラムの飯沼佐代子さん が、生物多様性と日本の消費の意外な接点について紹介しました。
続いて、レインフォレスト・アクションネットワークの川上豊幸さんが、日本が消費している 紙のふるさと、インドネシアのスマトラ・リアウ州 の状況について発表しました。ここでは、天然林や泥炭地が、紙原料を得るためにアカシアやユーカリに転換されてきています。川上さんはこのような破壊を伴う紙の購買を避け、古紙や信頼できる認証の紙の購買を呼びかけました。
続いて、 ラッシュ・ジャパンの秋山映美さん が、パーム・プランテーション拡大の影響を、サラワク州を例に紹介しました。ラッシュ・ジャパンでは、このような状況を消費者に伝え、プランテーション拡大を抑制するためのキャンペーンを開始します。
また、パーム・プランテーションの問題を取材し続けた ジャーナリストの樫田秀樹さんが、開発に反対し続ける先住民族の声を紹介しました。
最後に、FoE Japanの満田夏花が、鉱物資源の採掘における影響について、とりわけ ニューカレドニア・ゴロニッケル開発事業を例に報告しました。住民の激しい反対にもかかわらず、この事業はどんどん進められていきました。広範囲におよぶ大規模な採掘により、生態系への影響は甚大です。
A SEED JAPAN の加治知恵さん は、 A SEED JAPAN 、アムネスティ・インターナショナル日本、 FoE Japan が共同で進める「エシカルケータイキャンペーン」を紹介し、消費者の声を結集して環境や社会に配慮した家電を実現していくことの重要さを訴えました。
会場からは、「原材料調達における日本企業の責任は大きい」「消費者にメリットを感じてもらうようなキャンペーンにしたらどうか」「 NGO は現地の社会構造を変えたり、下流側のリサイクルなどにももっと目を向けるべき」「メーカーは自らが行動を」「もっと情報発信をしていくべき」等の意見があがりました。
FoE Japan は、今後も、木材、紙、パーム油、金属などを切り口に、生物多様性と私たちの消費行動についての情報発信や取り組みを行っていきます。
■資料ダウンロードコーナー(いずれも PDF ファイルです)
一括ダウンロード (4.3MB)
イントロダクション~世界の生物多様性とつながる日本の消費
・・・飯沼佐代子(地球・人間環境フォーラム)
事例1:紙の消費と熱帯林・泥炭地/インドネシア・スマトラから
・・・川上豊幸(レインフォレスト・アクションネットワーク)
事例2:パーム油とプランテーション開発/マレーシア・サラワクから
・・・秋山映美(ラッシュジャパン キャンペーン担当)
事例3:エシカルケータイは実現可能か~鉱物資源と生物多様性/ニューカレドニアから
・・・満田夏花( FoE Japan )
[一言メッセージ]「市民の力で、ヒトもゴリラも傷つけないエシカルケータイをつくろう!」
・・・加治知恵( A SEED JAPAN )
>
エシカルケータイキャンペーン 「リーフレット」 「賛同ハガキ」
公開セミナー「生物多様性と日本の消費行動」
■主催 生物多様性条約市民ネットワーク、IUCN日本委員会、世界銀行東京事務所
■共催 国際環境 NGO FoE Japan 、地球・人間環境フォーラム
■協力 熱帯林行動ネットワーク (JATAN) 、レインフォレスト・アクション・ネットワーク (RAN) 、
国際青年環境 NGO A SEED JAPAN 、 アムネスティ・インターナショナル日本