ストップ!再稼働
「その許可に異議あり!」
東海第二原発の設置変更許可取り消しを求め、351人が不服申し立て(審査請求)
本日(2018年11月28日)、東京、茨城、福島などの市民351人が、日本原電に経理的基礎はないとして、東海第二原発の設置変更許可の取り消しを求め、行政不服審査法に基づく不服申し立て(審査請求)を行いました。
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総代(請求人代表)
満田夏花(FoE Japan事務局長)
阪上武(原子力規制を監視する市民の会)
武藤類子(福島県在住)
(趣旨)
東海第二原発を動かすべきでない理由はたくさんありますが、今回行うのは、日本原電の「経理的基礎」に絞ったものです。
原子炉等規制法第43条の3の6第1項第2号では、「その者に発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力及び経理的基礎があること」としており、この「経理的基礎」も審査対象になっており、原子力規制委員会は、「経理的基礎がある」と判断しました。
しかし、以下の理由から、日本原電には「経理的基礎」があるとはいえません。
1.日本原電の財務状況
日本原電は、2012年以降は発電をしていない。東日本大震災以降2011年~2017年の平均は25億円の赤字である。日本原電の建設仮勘定は1,660億円であり、純資産1,562億円を上回っている。この建設仮勘定の内容は明らかではないが、現在、更地の状態の敦賀3,4号機であるとすれば、その完成および運転の可能性は低く、資産性は疑わしい。所有する原発のうち、敦賀原発1号機は廃炉が決まっている。
敦賀原発2号機は、建屋直下の断層が、原子力規制委員会が設置した外部有識者会合によって、「地盤をずらす可能性のある断層」と認定されたことにより、再稼働は極めて困難な状況にある。既に廃炉措置が進められている東海原発を含めて、日本原電にはこれら原発の廃炉費用がのしかかる。
2.「借入金による資金調達の見込み」 は確認できていない
日本原電は、再稼働のための工事に要する資金として、約1,740億円を調達しなければならないとしている。また、特定重大事故対処設備の設置が5年以内に義務化されている。これにも約800億円の費用がかかると予測される。合計2,500億円の対策費が必要だが、日本原電の財務状況からして、そのほとんどを借り入れによって賄うしかない。東北電力、東京電力の支援の意思表明の文書は、多くの前提をおいた「意向表明」でしかなく、東京電力は、「債務保証」という言葉すら使っていない。審査書の記載とは異なり、「取引銀行による借入金による資金調達の見込み」は確認できていない。
3.実質的に破たんし、国の支援をうけている東京電力が、他社を支援することはできない
東電は2012年度以降、1Whも日本原電から電気を買っているわけではないのにもかかわらず、2011年度~2017年度は累計3,238億円にものぼる電気料金を日本原電に支払っている。
東電は「しっかりとした競争力のある電源を調達してお客様にお届けして、それ
で収益を上げ」るとしているが、安全対策費(1,740億円および特定重大事故対
処設備の設置費用)に係る借入金を返済しなければならないことを考えれば、日
本原電としては東海第二原発の売電価格は高く設定せざるをえない。
東京電力には、国債発行による交付金、政府保証による融資、および他の大手電力事業者からの負担金が「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」経由で注入されており、本来、賠償や廃炉に全力を注がなければならないはずである。債務保証であれ電気料金の前払いであれ、さらなる日本原電への資 金支援は国民や被害者への背任行為ともいうべきもので、到底是認できない。
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