ストップ!再稼働
日本原電・東海第二原発 パブコメ・ガイド
原子力規制委員会が日本原電・東海第二原発の設置変更許可にかかる審査書案を了承し、パブリック・コメント(一般からの意見公募)を行っています。パブコメのポイントをまとめました。
>募集要項や審査書案はこちら
>東海第二原発のパブコメのポイントに関するチラシを配布しています。30枚以上からお送りしておりますので、FoE Japanまでお問合せください。(TEL: 03-6909-5983/FAX: 03-6909-5986)
応募期間:2018年8月3日まで ファックスにて(FAX:03-5114-2178) 審査グループ 実用炉審査部門 宛て ③オンラインにて https://goo.gl/eWntn8 (電子政府のページへ) |
東海第二原発とは…茨城県東海村に位置する首都圏唯一の原発で、30km圏内には約96万人が居住。まもなく40年の老朽原発でもあり、東日本大震災のときに津波をかぶり、つなわたり運転を3日半続けてようやく冷温停止にいたった被災原発です。福島第一原発と同型の沸騰水型。
👉日本原電に「経理的基礎」はない 原発を動かす事業者の「経理的基礎」も審査の一つです。所有する4つの原発がすべて動いておらず、東電、関電などの「電気料金」でかろうじて破たんを免れている日本原電は 1,740億円もの安全対策費を銀行から借りることができません。この時点で、「経理的基礎はない」とみるべきでしょう。 原子力規制委員会は、日本原電に対して、債務保証の枠組みとして、だれが融資保証を行うのか、その意思はどうかについて、書面で示すことを要求。これにより、日本原電は、東京電力と東北電力の二社に対して、「電気料金前払、債務保証等によって弊社に支援資金する意向を有している旨、書面をもってご説明いただきたく・・・」と要請を出しました。東電と東北電の二社は「工事計画認可取得後に資金支援を行う意向があることを表明いたします」と文書で回答。しかし、「なお、本文書は、…何ら法的拘束力ある約諾を行うものではないことを申し添えます」とも書いてあります。 東京電力に関しては、巨額の公的資金が注入されており、他社の原発を支援することは、許されません。 >いろいろと不可解な日本原電の経理的基礎。大手の電力会社、とりわけ東電からの奇妙な「電気料金」 👉ケーブルの防火対策 (審査書案 p.98) 全長約1,400kmのケーブルのうち、「難燃ケーブル」もしくは「今後難燃ケーブルに取り換える」ものが40%、「防火シートを巻く」が約14%という内訳になっています。防火シートは、対策としては不十分であり、また、何にも対策しないケーブルが45%以上となります。「防火シートで巻く」対策では、防火シートを通してケーブルが加熱され被覆材が熱分解を始めたり、条件次第では、火災がケーブルに伝わって拡がり、消火が極めて困難となるといった状況が懸念されます。また、防火シートによって延焼は防げたとしても、被覆がダメになり、ケーブルの機能が失われることによって、プラントの状態がわからなくなったり、機器の遠隔制御が不能になり得ます。 👉水蒸気爆発の危険性 (審査書案 p.241 など) 東海第二原発の格納容器は MARKII 型。万が一の事故で炉心溶融が発生した場合、真下にあるのは水であり、水蒸気爆発の危険性が高い構造です。 しかし、審査書案では、「水蒸気爆発が起こる可能性は極めて低い」として、評価を行っていません。 👉ブローアウトパネルの不具合は先送り? (審査書案 p.402) ブローアウトパネルは、主蒸気配管破断を想定した場合の放出蒸気による圧力等から原子炉建屋 や原子炉格納容器等を防護するため,放出蒸気を建屋外に放出することを目的に設置されています。放出後は速やかに閉まらなければなりません。ところが、ブローアウトパネル閉止装置の機能確認試験では、ブローアウトパネルが 5cm 空いてしまいました。その改善案の検討はこれからです。ブローアウトパネルの規制要求としては、「開放した場合は,速やかに閉止(遠隔及び手動) できること」とされていますが、実験結果はこれが満たされないことを示してしまいました。放射性物質を含んだ空気が周辺に漏れ出すリスクがあります。 👉 防潮堤は大丈夫? (審査書案 p.33) 当初、日本原電は防潮堤の設置場所として、低レベル放射性廃棄物埋設事業所を含む敷地全体を取り囲むこととし、セメント固化盛土形式の防潮堤を採用するとしてました。しかし、その後、地盤の液状化の可能性が否定できないことから、すべての防潮壁の杭先端を新第三系鮮新統~第四系下部更新統の岩盤まで到達させる支持杭形式に変更しました。また、杭の支持形式の変更及び防潮堤近傍の表層地盤の地盤改良等による地下水の流況に及ぼす影響を考慮して、低レベル放射性廃棄物埋設事業所周辺を避けるように防潮堤のルートを変更しました。 しかし、津波時に、低レベル放射性廃棄物の流出が懸念されること、事故時に防潮堤により地下水がさまたげられ、地下水位が上昇し、施設が水浸しになる可能性があります。 👉 要支援者は、見捨てるの? 避難計画は、パブコメの対象外です。しかし、そもそも、IAEAの言う「5層の防護」の一つである原子力防災について、審査をせずに、原発の再稼働を容認することは無責任です。 30キロ圏 96万人を避難させるような実効性のある避難計画はありません。茨城県が過去に実施したシミュレーションによれば、 5キロ圏の住民 8万人が、 5キロ圏外に出るまでに 30時間かかるとされています。また、体が不自由な要支援者を避難させるための車が確保できないことから、茨城県は、病院や施設などに「屋内退避」させることを 決めたことが報道されました。しかし、いつ救援がくるかもわからない中での屋内避難は、見捨てることにもなりかねません。
|
さらに詳しいパブコメ・ガイドは、こちらから>原子力規制を監視する市民の会、4ページ、PDF
水戸、東京でのパブコメ学習会のお知らせです。
【水戸】 東海第二パブコメ学習会
日時:7月16日(月・祝) 13:30~17:00 場所:茨城県水戸生涯学習センター
講師 阪上武(原子力規制を監視する市民の会)、満田夏花(FoE Japan)
主催:さよなら原発いばらぎネットワーク チラシ(PDF)>こちら
【東京】 もうすぐ40年、日本原電・東海第二原発の危険性を知ろう!~パブコメセミナー
日時:2018年7月26日(木)19:00~21:00
場所:文京シビックセンター5F会議室A
(最寄駅:後楽園、春日)
お話し:阪上武さん(原子力規制を監視する市民の会) ほか
資料代:500円
FoE Japan、原子力規制を監視する市民の会 詳細>こちら
【東海第二原発再稼働やめて 日本原電前アピール】
再稼働反対を訴えるため、日本原電前でアピー
ルを行います。
日時:2018年7月24日(火)18:30~19:30
場所:日本原電本社前(東京都千代田区神田美土代町1番地1)
呼びかけ:原子力規制を監視する市民の会
★こちらもよろしくお願いいたします。
【署名】東京電力さん、私たちのお金を日本原電・東海第二原発の再稼働のために使わないでください
https://www.foejapan.org/energy/stop_restart/180411.html
団体署名>https://pro.form-mailer.jp/fms/697c889e143818
個人署名(Change.org)>https://goo.gl/PjKJEB
署名用紙(PDF)>https://www.foejapan.org/energy/stop_restart/pdf/180411_petition.pdf
第三次締め切り:2018 年7月末日
★カンパ募集中! 郵便振替口:00130-2-68026 口座名: FoE Japan
通信欄に、「ストップ!東海第二原発」とご明記の上、住所、氏名をお忘れなくご記入ください。