脱原発・エネルギーシフトに向けて
【声明】 自主的避難に損害実費・精神的損害の賠償を
本日、原子力損害賠償紛争審査会で、自主的避難者等に対する賠償方針が決定しました。審査会の中間指針追補に関して、FoE Japanと福島老朽原発を考える会(フクロウの会)は以下の声明を発出しました。
<声明>
自主的避難者に正当で幅広い賠償を!
避難費用や収入減少分、精神的損害をカバーできる賠償とすべき
東電は、個別請求に応じ、完全に賠償すべき
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12月6日の原子力損害賠償紛争審査会において、自主的避難者等に対する賠償方針が決定し、賠償の地理的範囲は、県北・県中・いわき・相双内の市町村とし、賠償期間は、子ども妊婦を除いて原発事故の発生当初、子どもや妊婦までは今年12月末までを対象に、自主避難者やとどまった人に対する賠償額は子どもや妊婦で一人40万円、その他の人で8万円とされました。
私たちは、避難区域外からの、放射線被ばくへの不安や恐怖による避難の合理性を認め、避難者と残留者への賠償を認めたという点では今回の審査会の方針を評価しますが、自主的避難に対しては、あくまで損害実費および精神的損害が賠償されるべきであると考えています。また、下記の点で問題であると考えています。
・自主避難者の中には、引っ越し費用、二重生活に伴う生活費の増大、交通費などにより、多大な経済的負担を負った方々もいます。また、仕事をやめざるをえなかった方、不動産価値の損失により損害を得た方もいらっしゃいます。これら
の避難費用や収入の減少や喪失、財産の減少などが今回の「一括」の賠償を超過した場合、個別請求によりカバーできるように明記すべきです。避難者の賠償項目は、避難区域内からの避難者と同様とすべきです。
・賠償が支払われる期間があまりに短すぎます。国や自治体の除染計画はおおむね2年間で立案されていますが、除染に2年かかる、すなわちそれまでには線量が十分さがらないということを考えれば、賠償を認める期間は最低でも2年とし、それ以降も検討できるようにすべきです。
・賠償対象の地理的範囲が、県北・県中・いわき、相双となっていますが、この外側にも空間線量が高い地域が存在します。特に、宮城県丸森町は、線量が高い地域です。基本的には、日本の既存の法令での公衆被ばく限度などを参照しつつ、自主的避難に対して幅広く賠償を認めていくべきです。
・子ども・妊婦以外の住民に対して、「原発事故の発生当初」しか賠償が認められないことは不合理です。子ども・妊婦への配慮は、賠償の範囲を狭めるために行うのではなく、基本的な賠償範囲に追加する際に検討されるべきです。
今回の中間指針追補においては、個別具体的な事情に応じて、賠償額が算定される場合が認めうるとしています。
私たちは、東京電力に対して、自主的避難者や残留者の方々の、避難費用や除染、収入や財産の減少に関する個別の請求に基づき、審査会の指針を超える部分に対しても、責任をもって迅速に賠償をしていくことを求めます。
【問い合わせ】
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花/090-6142-1807
福島老朽原発を考える会 阪上武/090-8116-7155