脱原発・エネルギーシフトに向けて
2011 年 11 月 2 日
【 要請書 】
玄海原発4号:地元住民を無視した運転再開の強行に抗議
玄海原発4号機の運転再開について、11月2日に提出した要請書に、 ご署名・ご協力ありがとうございました。 |
経済産業大臣 枝野幸男様
佐賀県知事 古川 康 様
玄海町長 岸本英雄様
九州電力代表取締役会長 松雄新吾様
九州電力代表取締役社長 眞部利應様
九州電力東京支社長 野口俊郎様
九州電力は 10 月 31 日、事故で停止中の玄海原発4号の運転再開を表明しました。原子力安全・保安院は同日、「九州電力(株)玄海原子力発電所4号の原子炉自動停止に関する原因と対策に係る報告に対する確認結果について」を発表し、九州電力の事故推定原因と対策は「概ね妥当」と結論づけました。さらに、「運転再開は事業者判断」として、運転再開を容認しています。
しかし、福島第一原発事故の深刻な被害がいまだ続き、原子力「安全」行政も、「安全」管理確保も破綻している状況の中です。トラブルによる停止であったなか、そして、地元住民の意思を全く無視した運転再開は、認められるものではありません。
私たちは以下の理由から、玄海4号の運転再開を停止するよう強く要請します。
◆要請理由:
1.10 月 4 日に起きた玄海原発4号の原子炉自動停止は、単なる「人為ミス」ではなく、経済性を最優先にする九州電力の強行運転の姿勢がもたらした事故であり、この点の根本的な反省と対策がなされていない (※) 。
2.九州電力は、今回は地元首長の同意さえも必要ないと言っている。また地元住民の反対の声が多くあげられている中でこの声を無視してはならない。
3.九州電力は、「やらせ問題」において、九州電力の第三者委員会が指摘する佐賀県知事の関与を否定した報告書を経産大臣に提出した。これについて経済産業大臣から求められている報告書の再提出がいまだなされていない。
4.福島第一原子力発電所事故によって、原子力安全指針の破綻、原子力安全行政の破綻が明らかとなっている。体制の見直しがなされていない中、原子力安全・保安院が運転再開の許可を与える資格はない。
5.福島第一原子力発電所事故は、原発立地自治体だけでなく、周辺何十キロにも深刻な被害をもたらし、日本全体に大きな衝撃を与えている。運転再開の問題は、佐賀県だけではなく、九州全体、そして日本全体の問題である。
※ 10 月 4 日に起きた玄海原発4号の原子炉自動停止は、これまで定期検査で運転停止中に行ってきた検査を運転中に行い、検査の手順を停止中と同じ手順でやったために、復水器の真空度が異常となりタービンが停止し、原子炉も自動停止したものだった。より重要な機器で同様のことが起きれば、作業員の被ばく、大事故につながる。しかし、九州電力の事故報告書( 10 月 21 日付)でも、保安院の「確認結果について」でも、このような経済性を最優先させたことに起因したという、本質的な問題にはいっさいふれず、単なる「人為ミス」として軽く扱っている。また、最も肝心な「組織的な要因を含めた根本的な原因分析を行い、必要な対策を取る」ことは、今後の課題としてしまっている。
玄海原発プルサーマル裁判の会、プルサーマルと佐賀県の 100 年を考える会、
e シフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)、原発いらない全国の女たちアクション
計 160 団体( PDF 版参照)
◆連絡先
玄海原発プルサーマル裁判の会 tel:0952-37-9212 saga.100nennokai@po3.bunbun.ne.jp
e シフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) tel:03-6907-7217 info@e-shift.org
◆提出団体
玄海原発プルサーマル裁判の会、プルサーマルと佐賀県の 100 年を考える会、
e シフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)、ほか団体