脱原発・エネルギーシフトに向けて
【声明】 高浜原発、福井県知事の再稼働同意および空虚な「国の責任」に抗議
…国は、福島原発事故で「責任」を果たしたか?
国際環境NGO FoE Japan
原子力規制を考える市民の会
本日、福井県の西川一誠知事が関西電力高浜原発3、4号機の再稼働への同意を表明しました。
知事は、安倍晋三首相が今月18日の原子力防災会議で、再稼働のみならず防災対策や廃炉、使用済み燃料対策など原子力政策全般に責任を持って取り組むと発言したことを評価したといいます(注1)。
しかし、現在進行中の福島原発事故で大量の汚染水が流出し続け、多くの避難者が窮状のなかに置き去りにされている中、果たして国は「責任」を果たしているのでしょうか。また、福島原発事故を引き起こした無責任な原発推進政策に対して、国は「責任」をとったのでしょうか。
原発の40年超運転や廃炉、高速増殖原型炉「もんじゅ」の存廃についても、国が「約束」したと報じられています(注2)が、トラブル続きの「もんじゅ」はすでに破綻が明らかであり、「40年超」の老朽原発の運転をもし約束したとしたら、これは大問題です。
さまざまな危険に目をつぶり、再稼働のために形だけ「責任」を口にする――これは福島原発事故を引き起こした無責任体制と同じです。
高浜原発の避難計画に関しても、実効性があるとは到底いえません。避難の前提となる放射性物質の放出率は福島原発事故の1,000分の1程度と甘い想定です(注3)。要援護者の避難先・避難方法、安定ヨウ剤の配布方法など不明なことは山積しています。
高浜原発には安全上も問題があると、福井県原子力安全専門委員会の委員からも具体的に指摘があったのにもかかわらず、これらの疑問に関してはきちんとした回答が得られていません。実質的な汚染水対策はとられておらず、地震動策定には元原子力規制委員が過小評価を指摘する経験式が使われています。耐震評価も計算上安全を取り繕うだけのものとなっています。
県主催での住民への説明会も開催されていません。
こうしたすべてのことを置き去りにして、「国が責任をとる」という形だけの空手形をきらせ、住民のいのちと安全を脅かして再稼働を進めることは間違いです。
真摯に福島原発事故と向き合い、事故の収束および被害者の救済のためにこそ国は責任を果たすべきです。そして原発の再稼働の是非、避難計画については、少なくとも、福島原発事故の最終的な検証を踏まえ、住民・国民の意見を十分ききとり、公開の場での議論を踏まえて決定するべきです。
注1)福井新聞 2015年12月22日(火)11時16分配信「福井県知事が高浜原発再稼働同意 3、4号機、川内と伊方に続き」
注2)朝日新聞 2015年12月22日11時31分 高浜原発再稼働、福井知事が同意「すべて条件満たした」
注3)避難計画を案ずる関西連絡会パンフレット
https://www.jca.apc.org/mihama/takahama/leaf_takahama201512.pdf
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