脱原発・エネルギーシフトに向けて
【声明】 避難者を追い詰める帰還促進政策、賠償や支援の打ち切り方針に抗議
~避難者を追い詰め、生活再建の道閉ざすもの~
国際環境NGO FoE Japan
東京電力福島第1原発事故による自主避難者について、災害救助法に基づく避難先の住宅の無償提供を2017年3月で打ち切る方針を福島県が固めたと報じられています。
私たちは、これは避難者を追い詰め、その生活再建の道を閉ざす方針であるため強く抗議します。
多くの自主的避難者は、賠償をほとんど受け取っておらず、今でさえ苦しい生活を強いられています。母子家庭も多くいます。この住宅提供が絶たれてしまえば、困窮してしまう避難者も多くいます。
これは自主的避難者だけの問題ではありません。政府は遅くとも2017年3月までに、帰還困難区域以外の避難指示を解除する方針を示しているため、多くの避難者が、避難継続の選択肢を奪われ、兵糧攻めのようにして帰還を強いられることになります。
福島県による調査(注)によれば、応急仮設住宅を利用している避難者は全体の59.2%に上ります。応急仮設住宅の入居期間延長を求める意見が全体の48.7%となっています。
(出典:平成27年4月27日「福島県避難者意向調査 福島県避難者意向調査 福島県避難者意向調査 調査結果」)
避難者たちが避難を継続せざるをえないのには、理由があります。
福島県県民健康調査で、甲状腺がん悪性と診断された子どもは、悪性疑いも含め126人になりました(うち確定が103人)。1巡目の検査で、問題なしとされた子どもたち15人が含まれています。しかし、国も県も「風評被害」のみを強調し、被ばくへの不安を「心の問題」とし、「不安対策」と「除染」のみに予算を投下しています。それ以外の被ばく低減措置や、健診の強化に関しては、対策をとろうとしていません。
この間、FoE Japanのもとには、やむにやまれず、ふるさとを去らざるをえなかった人々、そして避難先でなんとか自立の道を模索している母親たちの、悲痛なメッセージが多数寄せられました。
福島県に対しては、連日、避難者から「住宅支援を打ち切らないで」というメッセージが寄せられていました。多くの当事者団体・支援団体が、署名を届け、要請を行いました。
避難者の声をきちんときくため、公聴会を開催すべきだという要請も行いました。しかし、これらの声はまったく無視されてしまいました。
私たちは福島県に対して、支援打ち切り方針を撤回するように改めて要請します。
同時に、災害救助法を所管する内閣府に対して、国の責任として、住宅支援を継続するように強く求めます。
連絡先:国際環境NGO FoE Japan
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