脱原発・エネルギーシフトに向けて
【調査報告】高濃度汚染続く渡利・大波―避難と除染の政策見直しを
福島老朽原発を考える会とFoE Japanは、継続的に福島市渡利・小倉寺・大波の空間線量率と土壌汚染調査を行っています。10月の空間線量率測定と土壌分析の結果、依然として深刻な放射能汚染状況が続いていることが明らかになりました。
【深刻な汚染が続く渡利地区】 |
調査の結果を踏まえて、現状分析と勧告を調査報告書にまとめました。
<主な調査結果>
・渡利の薬師町内の水路の空間線量率は、最高で1m高4.4μSv/時
・水路底の土壌の放射性セシウム濃度は最高で515,000ベクレル/kg。過去の計測で最も高い汚染濃度を示し、計測3ヶ所中2ヶ所がチェルノブイリの特別規制ゾーン相当の土壌汚染レベルであった。
・渡利薬師町の民家の庭の土は115,000Bq/kgと高レベルの汚染を示した。
・渡利小学校の通学路の空間線量率は下降傾向だが、側溝では1m高で0.7μSv/h、1cm高で1.3μSv/hであった。民家の雨水桝周辺は1.8μSv/h(1m高)、5..6μSv/h(1cm高)で、場所によって依然として高い空間線量率を示した。
・福島市小倉寺稲荷山福泉寺の入口階段下の土は、188,000Bq/kgであり、依然として高い値を示した。
<現状分析と勧告>
(1) 渡利・大波地区は依然として高線量率であり深刻な放射能汚染状況が継続している。
(2) 「除染」は計画どおり進んでいない。
(3) 「除染」の効果は極めて限定的である。
(4) 除染土仮置き場の管理状態は不十分、保管中や最終処分場への移動時に二次汚染を発生させる可能性がある。
(5) 国と福島県は「除染」効果の実態を検証し、避難・保養など被ばく防護策を再構築すべきである。
(6) きめ細かい定期的な測定・監視が必要である。
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