脱原発・エネルギーシフトに向けて
「原子力規制委員会人事案は違法」 弁護士グループが声明発表
脱原発弁護団全国連絡会が8月1日、原子力規制委員会委員長及び委員候補3名の人事案の撤回を求める緊急要請を提出しました。
共同代表の海渡雄一弁護士は、「あまりに公然とこの人事案が提案されているため、今まで、こんなに明らかな違法状態が見過ごされてきたことは驚きだ。国会議員は、この事実をしっかりと踏まえ、人事案撤回を求めてほしい」と述べています。
要請書全文はこちら
>原子力規制委員会委員長及び委員候補3名の人事案の撤回を求める緊急要請[PDF]
原子力規制委員会設置法第7条7項では、規制委員会の委員長及び委員の欠格事由について、以下のとおり定めています。
「三 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者、・・・又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)若しくはこれらの者の使用人その他の従業者
四 前号に掲げる者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)又は使用人その他の従業者」
また、政府は、7月3日付要件において、委員長及び委員について、上記法律上の欠格要件に加えて、以下の欠格要件を加えています。
「①就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者、②就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定額以上の報酬等を受領していた者」
しかし、委員候補の更田豊志氏は、現在、独立行政法人日本原子力研究開発機構の副部門長です。同機構は、高速増殖炉もんじゅを設置し使用済み核燃料の再処理を行う原子力事業者でであり、要請書では、「更同氏が上記の政府の欠格要件に該当することは明らかである」としています。
また、委員候補の中村佳代子氏は、公益社団法人日本アイソトープ協会のプロジェクトチーム主査であり、同協会は、研究系・医療系の放射性廃棄物の集荷・貯蔵・処理を行っているため、「原子力に係る貯蔵・廃棄」の事業を行う者であること指摘。同様に、欠格要件に該当するとしています。
さらに、委員長候補の田中俊一氏については、日本における原子力発電研究の拠点であった日本原子力研究所の副理事長まで務め、その後も上記日本原子力研究開発機構の特別顧問、高度情報科学技術研究機構(旧(財)原子力データセンター)の会長、顧問を歴任し、原子力発電の推進に一貫して関わり、2007年から2009年まで、原子力委員会委員長代理を務めたことを指摘。「同機構は、高速増殖炉もんじゅを設置し使用済み核燃料の再処理を行う原子力事業者であるため、、田中氏についても、欠格要件に該当する」としています。
同要請書については、こちらにお問い合わせください:
脱原発弁護団全国連絡会(東京共同法律事務所 03-3341-3133) 弁護士海渡雄一、弁護士只野靖
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