脱原発・エネルギーシフトに向けて
NGO 6団体、原子力損害賠償紛争審査会と交渉
―「自主」避難の住民にも賠償を要請
共同プレスリリース
2011年7月15日
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク
福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
国際環境NGO FoE Japan
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
グリーン・アクション
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
上記6団体は本日7月15日、参議院議員会館(東京都千代田区)で、原子力損害賠償紛争審査会事務局との交渉を行い、「自らの判断で自主避難を行った住民に対して、正当な賠償が支払われるべきであることを原子力損害賠償紛争審査会の報告において明記すること」などを要請しました。
福島県には放射能汚染のリスクと、まだ否定できない水蒸気爆発などの可能性を目の前に、自分や家族を守るため避難したいのに避難できない方たちが多くいます。避難できない大きな理由の一つが、「避難区域」外に住んでいることです。避難区域でないために、避難は自己責任とされ、補償や行政的なサポートが得られる保証がなく、職場や学校の理解を得るのが難しいことです。
上記6団体は交渉前に、自主避難者にも、被ばく検査費用そして避難にかかる費用の補償を求める要請書と、あらかじめ募集した自主避難者、および避難したいができない方々の意見を、原子力損賠賠償紛争審査会の9名の委員宛てに提出しました( 資料1、資料2)。
交渉で、東電福島第一原発から約50キロの福島県三春町から自主避難した橋本雅子さんは、「福島では七夕でも子どもたちが『がんになりませんように』などと短冊に書いた。私は家を建てばかりでローンも残っている。それを置いてきた。これが損害でなければなんなのか」と訴えました。意見を寄せた自主避難した方々から、高い線量下の生活を強いられ、我が子を守るために避難を決意した状況、働き手が福島に残って避難先との二重生活を強いられている状況、自主避難が補償される保証がないため避難をしたいができないという切実な声が多くみられました(資料3)。
要請を受けた経済産業省原子力損害賠償対策室の板倉康洋氏は、「自主避難の方の避難費用も検討する」としました。次回の原子力損害賠償紛争審査会は第11回目。19日に開催されることになっています。6団体では今後も審査会を注視し、自主避難の方の避難費用の補償を求めていくことにしています。
交渉後会見を行った主催団体は、「自主避難をせざるをえない状況がつくりだされたのは、原発事故の被害。その被害の補償が国の賠償のしくみの中で保証されないと、避難された方、避難できない方が救われない。何人(なんぴと)も、放射能の不安から免れる権利を持っている。それが原則です」と訴えました。
●参考資料
資料1:「自主」避難者への賠償を求める要請書
https://dl.dropbox.com/u/23151586/110715_1.pdf
資料2:私たちの声をきいてください! (避難者、避難を考えている住民からの意見)
https://dl.dropbox.com/u/23151586/110715_2.pdf
資料3:福島市における放射能汚染の実態および避難区域設定に関する共同声明
https://dl.dropbox.com/u/23151586/110715_3.pdf
プレスリリース本文はこちら
●問合せ
福島老朽原発を考える会 阪上武 090-8116-7155
国際環境NGO FoE Japan 満田夏花 090-6142-1807