太陽光発電をめぐる意見交換会報告~乱開発をどう防ぐ?~
日時:2018年12月21日(金)13:00~16:30 場所:地球環境パートナーシッププラザ(GEOC) セミナースペース 配布資料 ・再エネ開発の問題点・・・柳井真結子/FoE Japan |
2018年12月21日、各地での太陽光発電所の乱開発に関して問題の共有と解決に向けた道筋をさぐるために、太陽光発電の乱開発とたたかう長野、山梨、山形、静岡、千葉からの市民と再生可能エネルギーを促進する立場の市民とが、約40人集い、地球環境パートナーシッププラザ(東京都渋谷区)にて意見交換会を行いました。 FoE Japan が呼びかけました。
メガソーラー等の太陽光発電所開発のため、大規模な森林破壊、水源や生態系への影響、自然災害、景観悪化、生活環境の悪化等の問題が生じています。現状では、環境破壊を防ぐ規制は十分ではありません。すでに全国各地で住民運動や訴訟に発展しているケースも少なくなく、市民活動、住民運動、メディアからも再生可能エネルギー開発のあり方が問われています。
意見交換会では、太陽光発電開発をめぐる制度的、構造的な問題についての発表に続き、山形県飯豊町大石田町におけるメガソーラー開発、長野県・四賀ソーラー開発、 伊豆 高原ソーラー、山梨県・北杜市におけるソーラー乱開発、 千葉県・鴨川市ソーラー開発 について地元で取り組むみなさんから報告がありました。また以下のような意見が出されました。
気候変動の名のもとに、自然を破壊して太陽光発電がおこなうことは本来の気候変動対策にもならない。生態系を保全することにより、気候変動上の目標を達成することを模索すべきではないか。
国土の狭い日本において、太陽光発電を行うことは、どこかで土地利用上の問題が発生する。最低限、ゾーニングが必要。それだけでは解決しないが…。
地元がどんなに反対しても、事業者は確信犯的に事業を進めていく現状がある。どんなに問題意識をもっていても、既存の法律や条例で自治体が止めることは至難の業。業者はそれを見透かしている。悪い前例に合わせていく。
地方自治体は人員不足で、よほどのニーズがない限り、新たに「条例」をつくるなど規制をかけることはできない。国が規制をかけるしかないのではないか。
太陽光自体の問題ではないのか。パネルの廃棄の問題はどうなのか。
今回報告されたのは、太陽光の問題というよりも、自然破壊の問題である。太陽光発電の産業の中で、しっかりと律していくことも必要。
問題のある事業者名を出していくべきではないか。
市民の問題意識を踏まえ協議を行っていく場を作ったという意味では、北杜市の例は先進的なのでは?
FIT 法が施行されて、太陽光発電事業が、「金融商品」のように投機的事業者を呼び込んでしまった。
とにかく、これらの問題について声をあげていく必要がある。
過疎化に悩む各地において、森林を手放さざるをえない実情がある。
最後に、今後、行政に対して現状を伝え、法整備など所要の対応を行うよう、要請を行っていくことが確認されました。
FoE Japan は、エネルギーと民主主義は切り離すことができないものであり、私たち自身がエネルギーと社会のあり方を決めていくべきだと考えています。こうした観点から、住民の声を無視したエネルギー開発は、反対します。
脱原発、気候変動の防止の観点から、また地域分散型で市民参加が可能であることから、持続可能な形での再エネは重要です。
だからこそ、気候変動対策の名のもとに、生態系を破壊するような太陽光発電は本末転倒だと考えています。
また、バイオマス発電に関しても、海外から森林を破壊して生産された木質チップやパーム油・ PKS などを輸入したり、放射性物質で汚染されている木材を燃やしたりすることは問題であると考えています。
今後、住民運動や関連する団体とも連携しながら、行政や企業に働きかけをおこなっていきたいと考えています。
参考)再生可能エネルギーの持続可能性に関する FoE Japan の見解( 2018 年 4 月 13 日)
https://www.foejapan.org/energy/library/180413.html