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原発輸出
共同声明:日立の英国原発輸出凍結を歓迎-日立および日本政府は、原発からの完全撤退を!
2019年1月17日
日立製作所の英国原子力事業凍結を受け、国際環境NGO FoE Japanと、英国ウェールズの住民団体People Against Wylfa Bは共同声明「日立の原発輸出凍結を歓迎-日立および日本政府は、原発からの完全撤退を!」を発表しました。(声明は下記)
この凍結発表を受け、日立によるプロジェクトに長年反対運動を続けていたPeople Against Wylfa B(PAWB)のメンバーは以下のコメントを発表しています。
昨年5月に日本を訪れた、PAWBメンバーの一人メイ・トモズ氏は
「将来世代にこれ以上問題を押し付けたくない。子どもたちのためにも安心した。これからは将来世代に禍根を残すエネルギーでなく、よりよいオプションを模索すべきだ。」とコメント。
同じく昨年5月に日本を訪れた、PAWBメンバーのロブ・イドリース氏も
「日立の決定を歓迎する。新規原発が経済的に見合わないということが認められたということ。日立や日本には、原発以外の方法で気候変動とたたかってほしい。またこれは経済的な問題だけでなく、環境や社会、廃棄物などの問題でもあった。そして福島のような事故を2度と起こさないという想いもあった。日本で脱原発にむかって活動している人々に感謝したい。」と述べています。
またFoE Japan事務局長の満田夏花は
「日立が計画を凍結を決定したことは歓迎したいが、むしろようやく真っ当な判断がなされたと感じる。今回の件は、原発産業の破たんを端的に示している。日本政府は一刻も早く原発ゼロの意思決定と、原発事故被害者の救済と脱原発のために政策資源を集中すべき」とコメントしました。
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共同声明:日立の原発輸出凍結を歓迎
日立および日本政府は、原発からの完全撤退を!
日立および日本政府は、原発からの完全撤退を!
国際環境NGO FoE Japan
People Against Wylfa B
本日、日立製作所の取締役会で、日立の完全子会社ホライズン・ニュークリア社が英・ウェールズで進めていたウィルヴァ原発建設事業の凍結が正式に了承されました。People Against Wylfa B
FoE Japanと現地住民団体People Against Wylfa B(ウィルヴァ原発に反対する人々)は今回の日立の決定を歓迎するとともに、本事業および原発建設ビジネスそのものからの完全撤退を改めて要請します。
原発は住民を事故のリスクにさらすことに加え、解決不可能な核廃棄物を次世代にも押し付けることになります。地元の住民団体PAWBは、事業がアングルシー島の豊かな自然や文化を破壊するとして反対を続けてきました。
今回もっとも問われたことの一つは事業の経済合理性でした。イギリスで現在建設中の新規原発の電力買取価格は、市場価格の2倍もの高い価格となります。事業を成り立たせるために、高い電力買取価格の設定や、日英両政府による手厚い支援が前提で、そのツケを払うのは日英両国民ということになっていました。
日立は今回の「凍結」により2千~3千億円の損失を計上することになるとされています。一方、日立が本事業を中止すると報道されるたびに、日立の株価は上昇しました。すなわち、市場も本事業を相当リスキーであると判断していたということになります。
日立が事業を凍結した理由としては、出資パートナーが見つからなかったこと、これにより事業の枠組みを固めることができなかったことに加え、日立のビジネス上のリスクを十分下げることができないという判断があげられます。
投資パートナーとしては、東京電力、日本原電、中部電、政策投資銀行などの名前が報道されました。多くの原発事故被害者が置き去りにされている現状を考えれば、東電が出資パートナーの候補として名前があがったこと自体驚くべきことです。結局のところ、東電もそこまでのリスクはとれないと判断したということになります。
このことは、ウィルヴァ原発だけにとどまるものではありません。リスクが高いのはいずれの原発でも同じなのです。
東電・福島第一原発事故が私たちに残した教訓は何だったのでしょうか?
ふるさとの喪失や人々の苦しみ、分断、失われた生きがいを数値化することはできません。
政府の試算ですら、原発事故関連費用は22兆円にのぼりました。交付国債の発行や全国の電力会社からの負担金で、東電を延命させるための仕組みがつくられましたが、それがなければ、東電は破たんしていました。原発事故を経て、いままで外部化されていた原発の安全対策費が、ようやく一部内部化されるようになりましたが、それすら十分ではありません。
いま、新聞社などによる世論調査のたびに、原発に反対する意見が過半数を占めている状況です。核燃料サイクルも破たんは明らかです。 かつて原発を正当化していた「電気が足りない」「原発は安い」といった言説をもはや誰も信じていない状況です。
原発にしがみつくごく一部の人たちの利益のために、このまま原発にしがみつくことは得策ではありません。いま必要なのは一刻も早い、原発ゼロの意思決定と、原発事故被害者の救済と脱原発のために政策的なコストを集中させることです。
私たちはあらためて日立製作所および日英両政府に対して、原発からの完全な撤退を求めます。
FoE Japanは、原発輸出に関して問題提起を続けていきます。また、福島の子どもたちのための保養プロジェクト(福島ぽかぽかプロジェクト)、原発事故被害の可視化と被害者支援、持続可能なエネルギー政策の実現のための活動に取り組んでいます。 活動の継続のため、寄付を呼びかけています。ぜひご協力ください。 郵便振替口:00130-2-68026 口座名: FoE Japan 通信欄に、「原発・エネルギーチームへの寄付」と記入してください。 または 振込先:城南信用金庫 高円寺支店 普通358434 エフ・オー・イー・ジャパン |
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