脱原発・エネルギーシフトに向けて
使用済み核燃料再処理の延命にノーの声を! 【2016年 1月5日 パブコメ締め切り】
使用済み燃料の再処理の新体制について政府がパブリック・コメントを募集しています。
再処理については、放射能汚染ややっかいで危険なプルトニウムをわざわざつくりだしてしまうという問題に加え、経済的にもすでに破綻は明らかです。
これまでは、電力会社の地域独占により「総括原価方式」で消費者から費用を回収することを前提としていましたが、電力システム改革に伴ってこれが成り立たなくなる前に、再処理のあらたな「延命」のしくみとして、電力会社からの拠出金により新たに認可法人を設立し、そこが再処理の責任を担うという案が提示されています。
つまり、電力自由化による競争の激化によって再処理が継続できないため、それを無理やり延命させようという案なのです。
しかし、そもそも、危険かつ現実的には破綻している再処理の継続・延命を前提に議論してよいのでしょうか。
電力小売全面自由化にも関わるこのパブコメ、一言でも意見を出しましょう。
■資料と提出窓口はこちら
「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案)」 https://goo.gl/iZMn2r
■パブコメのポイント
【1.再処理の破綻はあきらかなのに、継続を前提としている】
2ページ「はじめに」3ページ「安定的な資金確保の手当て」ほか全般で、再処理がすでに成り立たないことが明らかにされている。
六ヶ所の再処理工場はトラブルが続出し計画が大幅に遅延する一方、コストは当初言われていた10倍以上に跳ね上がっている。もんじゅに至っては、20年以上も前に造られたのに、稼働期間はわずか250日である。核燃料サイクルの破綻はすでに明らかである。
再処理自体について「継続を前提」とするのではなく、「再処理のあり方」についてまずは議論すべき。
【2.使用済み廃棄物の所有・管理責任があいまいであり、原子力事業者が免責されるおそれがある】
新法人に再処理等費用を拠出するのは「原子力事業者」とされている。しかし、再処理に責任を負うのは新法人になり、原子力事業者は免責される恐れがある。
また、使用済み廃棄物の所有・管理責任が誰にあるのかは不明である。
中間報告では「原子力事業者が使用済燃料を発生させた主体として、発生者負担の原則に沿って、引き続き、責任を果たすことを大前提とすべき」などとしているが、これは、本来、「発生者負担」責任は発生した使用済み燃料の管理・処分に関するものであるはずのところを、それが再処理に関する拠出金を出すことで免責しようとしている。
【3.将来にわたっても、費用負担は原子力事業者であることを明記すべき】
留意事項として、「将来的に、著しい事業環境の変化など現時点では想定されていない事態が生じる可能性も否定できない。今般のスキームに関しても、・・・・必要に応じて一定の追加的な措置を講ずることも含め検討する必要がある」と書かれており、将来的に、託送料金などを通じて、原子力事業者以外の事業者も、負担するという方向性が提案される可能性がある。
しかし、核燃料を発生させた主体である原子力事業者が、あくまでその処理の費用負担を行うべきである。
将来にわたっても、原子力事業者が責任主体であることを明記すべき。
【4.まったく実現のめどがたたない再処理第二工場や、 MOX 燃料加工工場の費用まで出すことになっている】
p.8 の説明および図において、まったく実現のめどがたたない再処理第二工場や MOX燃料加工工場の費用まで対象とすることになっており、非現実的な上、これらの施設の計画ありきの内容となっている。
※参考1:12月21日開催の「パブコメワークショップ」の映像、資料はこちら
https://www.foejapan.org/energy/evt/151221.html
※参考2:再処理は永遠に不滅です──再処理実施主体としての認可法人設立案|核情報
https://kakujoho.net/npp/repro4ever.html
※関連報道
・核燃料の再処理、新設の認可法人に移行 国の管理強化へ(朝日新聞、2015年12月
1日)
https://www.asahi.com/articles/ASHCZ4W9JHCZULFA013.html
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