脱原発・エネルギーシフトに向けて
【7/1まで】 パブコメ出そう!
長期エネルギー需給見通し(2030年のエネルギーミックス案)
(資源エネルギー庁長官官房総合政策課)
詳細・資料・提出はこちら⇒ https://www.enecho.meti.go.jp/notice/topics/031/
<ひとことでも書こう!ポイント(例)>
・そもそも、現行エネルギー基本計画は、2012年の国民的議論をまったく無視している。 「エネルギー基本計画を踏まえ」るのは不適切。
・一番大きな問題は、原発の割合。20~22%は現実的に不可能。
43基すべて再稼働した上で、新設・増設や60年までの運転延長をしなければ不可能。
老朽原発や危険な原発の稼働も想定されており「安全性を重視」は実体をともなっていない。
・エネルギー需要量の見通しが、現時点からわずかに下がるのみ。省エネの目標が低すぎる。
・再生可能エネルギーの導入目標が低すぎる。
・原発のコスト試算が低すぎる。
一方で再生可能エネルギーの賦課金を、負担と言っている。将来に向けた投資である。
FoE Japanでも意見提出しました。 >PDFはこちら
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資源エネルギー庁長官官房総合政策課 パブリックコメント担当御中
「長期エネルギー需給見通しに対する意見」
2015年6月26日(金)
国際環境NGO FoE Japan
事務局長 三柴 淳一
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel 03-6909-5983 Email info@foejapan.org
意見内容
- 【1.そもそも、原発維持推進の方針は、国民の声を無視したものである。】
(理由)
2012年のエネルギー政策見直し時には、約2ヶ月をかけ複数の手法による「国民的議論」をへて、「過半の国民が原発をゼロにしていくことを望む」とまとめられた。この結果について、審議会の中で参考資料としてさえもまったく提示されなかった2013年以降の「エネルギー基本計画」改定議論は、プロセスとして不当である。したがって、長期エネルギー需給見通しについて、「エネルギー基本計画を踏まえ」ること自体が不適切であることを踏まえるべきである。
- 【2.原子力の想定割合(電源構成の20~22%)は実現不可能でありあまりに無責任である。原子力の割合はゼロとすべき。】
(理由)
2015年現在、1年以上にわたり原発は1基も稼働していない状態である。今後仮に、現存する43基すべてが再稼働したとしても、40年運転制限のルールを守れば、2030年度にの原発割合は10%強である。東日本大震災や新潟地震でダメージを受けた原発や、直下に活断層があることが判明した原発をのぞけば、さらにこの半分程度となる。20~22%という案は、このように再稼働が事実上不可能な原発を含み、さらに合意のない60年運転や新増設・リプレースをも見込むものであり、あまりにも現実から乖離しています。
このような実現不可能な数字を長期エネルギー需給見通しとして設定することは、福島第一原発事故の被害を無視しているばかりか、国として極めて無責任である。
原発の新設やリプレースは、世論や技術的課題、コストなど様々な理由から現実性はない。また60年運転は、莫大な安全対策のコストがかかる上にリスクも高まり、「安全性」を重視する方針に反する。現在原発稼働がゼロであるという事実に加え、再稼働が困難であること、現存する原発が順次廃炉を迎えるという現実と、民意の反映という観点から、原発の割合はゼロとすべき。
- 【3.原発をベースロード電源とすることは、世界の流れに逆行する。再生可能エネルギーをベースとしていくべき。】
(理由)
上記のように、原発の維持・推進が現実的に不可能となっている中で、「ベースロード電源」と位置づけ続けることは、そもそも非現実的であり、本来一刻も早く進めていくべき省エネルギーや再生可能エネルギーの推進にブレーキをかけている。現に2014年には、非現実的な原発利用想定に基づいて再生可能エネルギーの接続制限すら議論されている。
欧米では、広域運用機関によって調整を行うことで再生可能エネルギーを中心としていく方針が立てられており、現に着実に割合を増やしている。さらに、長期的には再生可能エネルギーを基幹電源とする目標が打ち出されている。
日本でも、電力システム改革が決定され、広域連携も含む柔軟な需給体制にむけての変革を始めようとしている現在、原発を「ベースロード」とする前提は撤回し、むしろ再生可能エネルギーをベースとする方向に転換すべき。
【4.低すぎる省エネルギー想定を見直し、少なくとも30%以上とすべき。】
(理由)
エネルギー政策・電源構成の検討にあたって、まずは省エネルギーを最優先すべきです。現状のエネルギー需要量想定(レファレンスケース)が2013年よりも高く想定されていることに加え、省エネルギーの想定(目標)が少なすぎる。震災後の電力消費量は、日本全体で約8%も減少し、省エネ・節電の定着も明らかになっています。
原案のレファレンスケース比で17%節電(電力)、13%省エネ(エネルギー全体)は、2030年の目標としてあまりに不十分です。今後は高効率の空調・照明機器のさらなる普及や建築物断熱の普及、工場などの排熱利用などで、大きく削減が進む見込みです。加えて、無駄な利用の見直しについても、特に中小企業や家庭を中心に、政策浸透の必要性がまだ残り、具体的な情報普及を含め大きな余地があります。
【5.再生可能エネルギーの割合は少なくとも30%以上とすべき。】
(理由)
現行案では、再生可能エネルギーの将来の伸びについてあまりに過小評価している。さらに、再エネの導入は「国民への負担」と書かれており、再エネを普及拡大させる意義や、今後の拡大・コスト低減をまったく見込んでいない。
国内・地域でお金がまわる再生可能エネルギーこそ、大幅に増強しなければならない。日本でも、再生可能エネルギー固定価格買取制度の実施により、太陽光を中心として大幅に増えつつある。風力や地熱なども含め、支援策の強化や障害の見直しにより、大幅な拡大を目指すべき。また、省エネルギーを進めることにより、再エネの割合も相対的に増える。
「安定供給」をめざすのであれば、省エネルギーと再生可能エネルギーこそ中心として進めるべき。
*環境省(2015年3月)「平成26年度2050年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務報告書」 https://www.env.go.jp/earth/report/h27-01/
【6.石炭火力発電増強は温室効果ガス削減責任に反する。2030年には大幅な削減をめざすべき。】
(理由)
ミドルロード電源として、石炭火力発電の増強が意図され、国内でも石炭火力発電所の新増設が相次いでいる。また、原子力の利用が、想定に満たなかった場合、石炭での穴埋めが懸念されている。
しかし、石炭は温室効果ガス排出係数が非常に高く、最新型でも天然ガス発電の2倍である。これから電力需要を減少させていかなければならないなかで、これからの新増設は不必要であるばかりか、温室効果ガス排出削減に逆行する。温室効果ガス削減に向けて世界が努力し、先進国として特に責任のある日本として、石炭火力発電の増強はただちに撤回すべき。また、石炭火力発電を「低廉」なエネルギーと位置づけることは、こうした環境負荷を無視しており、不適切である。
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