活動地情報
経過レポート「取り戻した緑、守り育てたい」
11月上旬、来年の計画を相談に活動地の村々を訪れました。厳しい寒さを目前に、畑の収穫作業が落ち着いた頃でした。「たくさん収穫できた。雨が多かったからね」そんな声があちこちで聞かれました。
この地域では、雨量が極端に多かったり少なかったり年によって変動が大きく、農作物の出来を左右します。今年は苗木や草もよく育ちました。緑化の経過を報告します。
●緑化1年目の大きな一歩
草が回復した3期地区 10年目、切り株を見て複雑な気持ちに |
ダチンノール村では活動地を広げ、3期地区として緑化を開始しました。砂が流動して地形が変わるほど厳しい環境でしたが、夏には草が覆い始めました。
春の植樹後、雨がよく降り、草の回復を早めたようです。苗木も多くが根付きました。同じく今年スタートのブッティルモ村でもたくさん草が生え、緑の再生に向けた大きな一歩となりました。
一方、緑化10年目のダチンノール1期地区は、新たな局面を迎えました。大きく育った木が分配され、住民それぞれが管理するようになりました。
幹を太くしようと枝打ちをして、燃料に使ったり、なかには伐採してさっそく家を建てる木材に使ったという住民もいました。伐採しても繰り返し育てることが、今後のテーマです。
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>ダチンノール村 >ブッティルモ村
緑がもどった活動地
3年目、緑がもどった南ガラタシ村 苗木の列の間につくった畑 |
周辺の活動地もダチンノール村に続きました。砂ばかりだった場所にだんだんと草が覆い、苗木は立派な防風林に。よみがえる緑に自然の底力を感じます。
緑が回復した活動地には、畑も増えました。マメやトウモロコシ、ソバ、アワなどを育てていました。
自然の回復力を引き出したのは住民。自分たちで取り戻した緑を守れるといいのですが・・。近年は、緑をどう維持するかが新たな課題になってきました。
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>リャンサップ村 >ヤミンアイリ村
>西ハイスカイ村 >ウリゴンホトグ村
>南ガラタシ村 >北ガラタシ村
「広げる」から、「育てる」活動へ
現地では住民の取り組みが広がり、地元政府も緑化に熱心になりました。家畜の放牧制限や、木を植えると個人の権利が与えられるなどの土地政策が次々と登場し、緑化を後押ししています。
緑化を広めようと活動地を増やしてきましたが、活動の進行や、現地の状況変化から、今後は緑を育てることに重点を置きたいと考えています。緑の利用と維持のバランスをどう保つか、それぞれの活動地でいい方法を見つけていきたいです。
現地ではときどき、緑化方法や木の育て方を工夫している住民に出会います。萌芽更新させて繰り返し育てる、果樹を植えて実らせるなど様々な取り組みを見つけました。これを地域に活かすことはできないか?現地で集めた事例をもとに、来年は住民向けビデオを作って村々を行脚する予定です。