石炭火力問題
今年の巨大台風の大規模災害と被害を受けて
気候変動対策強化と石炭火力2030年全廃を求める声明
今秋、台風15号(ファクサイ)と台風19号(ハギビス)が関東地方に上陸し、関東甲信越、東北地方の広範囲に及んで甚大な被害をもたらしました。
千葉県や神奈川県などにおける甚大な被害は今なお続き、石炭火力を考える東京湾の会のメンバー被災し、数日~数週間に渡る停電、水道水の断水、屋根や壁の破損、農地の浸水等、大変深刻な被害を受けました。また、台風に伴う竜巻被害も甚大で、今までにないような破壊的な事象が身近に起こっていることを目の当たりにしました。
気候変動リスクが深刻となる中で、昨年の台風21号や西日本大豪雨、その前は一昨年の九州北部豪雨等、気象災害は毎年発生、範囲も広がり、いつ起きてもおかしくない状況になっています。そして被災地には容赦なく大雨が断続的に降り、このことが復旧を大きく遅らせる原因となっています。
このような甚大な気候災害が毎年起きる背景として、化石燃料を燃やしCO2を排出し続けてきたことなど、人為的な活動があることが科学的にも明らかになっています。
すでに産業革命前に比べて地球の平均気温は約1℃上昇し、この100年での気温変化を見ると、とりわけ近年の気温が著しく上昇していることが観測されています[1]。
IPCCでは、早ければ2030年には1.5℃上昇すると報告されており、1.5℃上昇すれば今以上に気候リスクが上昇、生態系の破壊が進み、人類にとってもこれまで以上に厳しい環境になることが指摘されているところです。
豪雨が襲う度に100年に1度などと表現されていますが、それは顕在化しつつある気候変動に対する認識不足であり、毎年のように激甚災害が起きることが懸念され、また経済的損失も計り知れない規模になっていくと想定されます。
こうした状況下で、世界的には、先進国を中心に遅くとも2030年には既存の石炭火力発電所も含めてすべて廃止すると決定している国・地域が増えています。
しかし、日本ではこうした世界の動きに逆行し、2012年以降に50基もの石炭火力発電所の建設計画が浮上、13基が中止となりましたが、その他はすでに稼働しているものや、横須賀石炭火力発電所をはじめ建設工事が開始しているものが多数あります。
さらに深刻なことに、2020年以降に大規模石炭火力発電所が次々と稼働していく状況にあります。
政府・事業者が、こうした状況を正しく認識し、石炭火力発電所の新規建設を中止するとともに、既存の石炭火力発電所も2030年までに廃止するよう、政策・事業を見直しすることを求めます。
また、環境負荷を小さくするため、再生可能エネルギーへのシフトを求めます。