COP15 (コペンハーゲン会合)
200万人の願い「コペンハーゲン合意にクライメート・ジャスティスを!」
FoEインターナショナル プレスリリース
2009年11月30日 コペンハーゲン(デンマーク)
200万人の願い:コペンハーゲン合意にクライメート・ジャスティス(気候の公平性)を!
FoEインターナショナルを支持する世界の200万人以上のサポーターが、12月7日~18日にコペンハーゲンで開催される国連気候変動会議(コペンハーゲン会合)が「クライメート・ジャスティス(気候の公平性)」への礎になることを望んでいます。しかしながら、本会合において、公平で実効力のある合意に達することは困難と見られています。
FoEインターナショナル代表のニモ・バッセイ(ナイジェリア)は「先進諸国は温室効果ガス排出の責任を負い、法的拘束力のある大幅排出削減に早急に取り組まなければならない。また、削減にあたっては、カーボン・オフセット(見せかけの削減)や、バイオ燃料、原子力やクリーンコールといった誤った解決手段をとらない対策を実施するべきである」と述べています。
コペンハーゲン会合の参加者たちは、2013年以降の京都議定書の第二約束期間として、拘束力のある温室効果ガス排出削減対策の合意を目指しています。京都議定書は、先進工業国の排出削減を拘束する唯一の国際法であるからです。
国連によると、気候変動の主な原因は温室効果ガスの排出であり、温室効果ガスをほとんど排出していない貧困層の人々や社会ほど深刻な気候変動の影響を受ける傾向にあるとされています。
FoEマレーシアのミーナ・ラーマンは「コペンハーゲン会合に暗い影を落とす先進諸国の分割統治支配的策略に対し、発展途上国は断固として反発する。先進諸国が考え方を変えなければ今会合の交渉はさらなる決裂を招く」とし、「気候変動に対して歴史的責任を持つ諸国がこれ以上の被害をくいとめ、自国内で大幅削減することでクライメート・ジャスティスは実現される」と述べています。
FoEインターナショナルは、クライメート・ジャスティスの実現と、見せかけだけの気候変動対策であるカーボン・オフセットの撤廃を求め、12月12日、コペンハーゲン市街地で数千人規模が参加する「洪水(flood)」デモンストレーションを行います。
https://www.foei.org/en/what-we-do/un-climate-talks/global/2009/join-us-in-copenhagen-for-the-flood
FoEエルサルバドルのリカルド・ナバロは「カーボン・オフセットは、先進国が発展途上国からカーボン・クレジットを購入し、自国で排出削減せずにすむ仕組み。気候変動対策のための国際合意になんの貢献もしない。先進諸国は直ちに自国内での排出量削減をおこない気候変動問題に真剣に取り組まなくてはならない」と述べています。
会合の期間中、FoEインターナショナルのキャンペナーは3万人以上の署名を集めた要請書をもってロビー活動を行い、会議に出席する世界のリーダーたちに対し世界の気候と人々を守るための正しい行動をとるよう訴えます。
https://www.foe.co.uk/climatetalks/petition.html
https://www.foejapan.org/climate/justice/your_action/form_cop.html
また、FoEインターナショナルは、ラ・ビア・カンペシーナやワールド・マーチ・オブ・ウーマン等の団体と共に市民サミット「気候フォーラム」を開催し、多くの人々と意見を交わしてクライメート・ジャスティスを推進します。あわせて気候フォーラムとベラセンター(国連会合会場)においてクライメート・ジャスティスを求める数千の声を集めた「気候カプセル」の展示を行います。
https://www.foei.org/en/what-we-do/un-climate-talks/global/2009/climate-capsule-1
https://www.foejapan.org/climate/doc/COP15_action.html
FoEインターナショナルは、以下のように考えます。
○ 先進国は、温室効果化ガスの排出を2020年までに1990年比で少なくとも40%削減しなくてはならない。「クリーン開発メカニズム」を含むカーボン・オフセットのような見せかけではなく、自国内での排出量削減を実現すべきである。
○先進国は、途上国に対して長い間温室効果ガスを排出してきたことによる「気候負債」を負っている。先進国はこの負債を認識し、大幅な排出削減や、国連の下の気候変動対策のための基金への十分な貢献などによりこの負債を返却しなくてはならない。
○世界銀行の気候変動基金は、途上国の負債を増やし「クリーンコール」などの汚れたエネルギーを推進するものであるので、これを拒否する。
○大企業および温室効果ガスの大量排出源は、公正な気候変動合意を阻止すべくロビー活動を行い、人々や地球を犠牲にして自身の経済的利益を増大させようとしている。
○森林を利用した「カーボン・オフセット イニシアティブ」は、気候変動対策にならないばかりでなく、気候変動問題と森林伐採の真の解決から注意を逸らそうとするものである。商業農園は森林ではなく、特に、単一樹種のプランテーションは、国連の気候変動対策の議論に含まれるべきではない。