カーボンオフセット
カーボン・オフセットへの懸念
温室効果ガスの排出削減に際する負担を少しでも減らして温暖化防止に取り組めるように提案されたのが、カーボン・オフセットです。
カーボン・オフセットとは、自分で削減できない温室効果ガス排出量の一部を、他の場所の排出削減事業に技術や資金を出すことにより相殺することです。
例えば同じ量の温室効果ガスの排出を削減するにしても、先進国よりも途上国で実施した方が費用を抑えられます。
しかし、オフセットに頼ることで国内の削減行動が遅れることが懸念されています。また、オフセット対象事業には、実質的な削減ができていなかったり、現地で環境破壊や人権侵害生じてしまっていたりする事例も多くみられています。
温暖化対策には迅速かつ確実性が求められており、不確かな炭素市場への依存は取り返しのつかない対策の遅れをもたらしかねません。
FoE Japanは、カーボン・オフセットを免罪符にせず、自らの温室効果ガスの排出は自分で削減しなければならないと訴えます。
そのためには、温室効果ガスを大量に発生させる現在の社会経済構造を根本的に転換する必要があり、エネルギーや資源利用の在り方から見直すことから始めるべきです。
■カーボン・オフセットの問題点 2. ダブルカウンティグの危険性がある。 3. 先進国国内の低炭素社会へのシフトが遅れる。 4. カーボン・オフセットを目的とした事業により土地収奪、現地住民や先住民族の権利侵害等、環境社会影響や紛争が多数生じている。 5. 温室効果ガス削減量が優先され、火力発電、ダム開発、炭素回収・貯留、単一植林、時に原子力発電まで対象事業となり、持続可能な開発に反する事業も多い。 6.透明性、セーフガードが不十分で、排出権購入者もどこでどのように排出削減されたか確認しにくい。 |
これまでの活動・発表資料
・ドキュメンタリー「忍び寄る原発―福島の苦悩をベトナムに輸出するのか―」(2013.05.10)
・フィリピン・バイオ燃料事業ドキュメンタリー「空に溶ける大地」(2013.05.10)
・報告会「グリーン・エコノミーの罠」・上映会『空に溶ける大地』(2013.03.21)
・「ラオス・REDD+(二国間オフセット・クレジット制度候補事業)」調査報告書(2012.03.26)
・カーボンオフセットセミナー(2012.03.28)
・ベトナム・原発輸出(二国間オフセット・クレジット制度候補事業)ファクトシート(英文/2011.11)
・ベトナム・原発輸出(二国間オフセット・クレジット制度候補事業)調査報告(2011.11)
・FoEインターナショナル「カーボンオフセット ブリーフィングペーパー(英語)」(2011.11)
・FoEインターナショナル冊子“Carbon offsetting: a dangerous distraction(英語)”(2009.06)
■クリーン開発メカニズム(CDM)に関する活動・資料
・フィリピン・バイオエタノール事業への問題提起 >開発金融と環境「土地収奪」ページへ
>「フィリピン・バイオエタノール(CDM候補事業)」調査報告書②(2013.03) >調査報告書①(2012.03)
・冊子「気候ファイナンス」
・パンフレット「途上国における気候変動対策~責任ある支援とは」
・レポート「CDMにおける架空クレジットの拡大」(和訳)
・レポート「CDMにおける架空クレジットの拡大」(英語)
・シンポジウム「途上国における温暖化対策~責任ある支援とは?」(2009.03.11)
・シンポジウム「アジアに迫る温暖化と低炭素エネルギー開発 ~バイオ燃料、水力発電CDM、天然ガス開発の持続可能性を問う~」(2007/02/08)
・CDMに関する提言(2003.03.13)
・大型ダムとCDMに関する公開セミナー(2003.03.13)