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インドネシア・インドラマユ石炭火力発電事業
【緊急賛同募集】
インドネシア・西ジャワ州チレボン/インドラマユ石炭火力発電事業への日本の公的融資供与の拒否を求める要請書
団体賛同の締切:3月22日(水)まで
賛同集約先:フォームに記入して送信
もしくは hatae@foejapan.org まで直接送付
現在、インドネシア・西ジャワ州のチレボン、および、インドラマユ石炭火力発電事業の2案件(計2,000 MW)に対し、日本政府が国際協力銀行(JBIC)や国際協力機構(JICA)を通じて融資を供与しようとしています。チレボンについては、3月末にJBIC等との融資契約が締結される見込みであることが報道等で伝えられており、また、インドラマユについては、3月中に着工との情報が地元で流れています。
両案件ともに、地元住民が生計手段への影響や健康被害の懸念を訴え、事業の中止を求めてきました。JBICやJICAに対しても住民から直接、異議申立書や書簡が提出されています。
チレボン石炭火力に関する動きはこちら
インドラマユ石炭火力に関する動きはこちら
昨年6月の中ジャワ州バタン石炭火力発電事業(2,000 MW)へのJBICの融資決定(約21億ドル)に始まり、今年2月の中ジャワ州タンジュンジャティB石炭火力・再拡張計画(2,000 MW)へのJBICの融資決定(約17億ドル)、そして、今回の西ジャワ州の2案件と、この1年間でインドネシアへの日本の石炭火力の輸出攻勢は目に余るものがあります。
一方で、インドネシアの地域住民は、日本の融資する石炭火力発電事業のために、土地収奪や環境悪化、人権侵害、地域社会の分断の犠牲となり、すでに巨大すぎる苦難を強いられてきました。
このような状況を受け、地域住民にさらなる負担を強いることになる西ジャワ州チレボンおよびインドラマユ石炭火力発電事業に日本の公的融資が使われることのないよう、日本政府、JBIC、JICA等に対し、以下の要請書を提出します。
ご賛同下さる団体の方は、3月22日(水)までに賛同集約フォーム(英語)にご記入いただくか、
「賛同団体名(日本語と英語表記、両方)」を hatae@foejapan.org までお知らせください。
要請書は、来日予定のインドラマユ住民3名、および、現地NGO(WALHI)スタッフとともに、3月23日(木)に各省庁へ提出予定です。
要請書への賛同は海外の団体にも呼びかけていますが、日本の皆様からも多くのご賛同がいただけますようお願い申し上げます。
WALHI(FoEインドネシア)
国際環境NGO FoE Japan
「環境・持続社会」研究センター (JACSES)
気候ネットワーク
>以下、要請書本文の和訳です。原文は英語になります。)
(PDFはこちら)
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内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
外務大臣 岸田 文雄 様
経済産業大臣 世耕 弘成林 様
国際協力銀行 代表取締役総裁 近藤 章 様
国際協力機構 理事長 北岡 伸一 様
日本貿易保険 理事長 板東 一彦 様
世界各国からの以下の署名団体は、パリ協定が2015年に採択され、また、2016年に発効されたにもかかわらず、インド、インドネシア、ベトナム、ボツワナ、モンゴルを含む海外での新規の石炭火力発電所の建設を推進する役割を果たしている日本に対し、深い憂慮の念を抱いてきました。私たちは、パリ協定の実現に向けて、地球の気温上昇を2°C未満に抑えるため、新規の石炭火力発電所の建設はもはや許されないと理解しています。
直近では、インドネシア・中ジャワ州タンジュンジャティB石炭火力発電事業の再拡張計画(5、6号機。総容量2,000 MW)について、フランスの民間銀行が自身の石炭融資を削減する公約に沿って同計画への(融資)銀行団から撤退した後も、今年2月、国際協力銀行(JBIC)と日本貿易保険(NEXI)が融資供与および付保を決定したことを私たちは強く非難します。この決定は、同じく中ジャワ州のバタン石炭火力発電事業(2,000 MW)に対し、2016年6月、JBICが融資供与を決定してから1年も経たぬうちになされています。
また、日本が現在、インドネシア・西ジャワ州において新たに2つの石炭火力発電所への融資を検討していることは大変注意を喚起するものです。すなわち、JBICとNEXIが支援予定のチレボン石炭火力発電事業・拡張計画(1,000 MW)と国際協力機構(JICA)が融資予定のインドラマユ石炭火力発電事業・拡張計画(1,000 MW)です。私たちは、日本政府がこれら2つの石炭火力発電所への融資を早急に拒否するよう求めます。そうした融資を行なうことは、パリ協定や温室効果ガス排出量削減目標となる2°C目標に沿って、世界が劇的な炭素排出削減を行っている努力を蔑ろにするものだからです。さらに、これら2つの事業は以下の環境社会面での懸念を伴っていることから、日本の公的機関は各々のもつ環境社会ガイドラインに則り、両事業への融資を拒否すべきです。
チレボンでは、JBICとNEXIが融資供与、および、付保を行なった既存発電所の影響を受けてきた住民らが、2016年11月、JBIC 環境ガイドライン担当審査役に異議申立書を提出しました。同申立書のなかで取り上げられている主な問題の一つは、既存発電所に伴う生計手段および収入機会の喪失でした。チレボン発電所の拡張計画は、同様の影響が生計手段に及ぶのではないかという懸念を喚起するものです。しかし、現在のところ、小規模漁業や製塩業、農業等に携わっている住民に対し、彼らの生計手段を改善、もしくは、少なくとも回復するための適切かつ効果的な対策は欠如したままです。したがって、生計手段への影響から地域住民の生活の悪化が繰り返し起きるでしょう。これは、「プロジェクト実施主体者等は、移転住民が以前の生活水準や収入機会、生産水準において改善または少なくとも回復できるように努めなければならない。」と規定するJBICおよびNEXIの環境社会ガイドラインに明確に違反しています。
また、同拡張計画の影響を受ける住民らは、西ジャワ州政府を相手取り訴訟を起こしています。州政府が、チレボン県空間計画が未修正のままであったり、環境影響評価の策定過程でコミュニティーの参加が確保されていなかったりと、不当に環境許認可を発行したためです。同訴訟では、環境許認可の無効を行政裁判所に法的に求めています。公判は今年1月11日に開始され、現在も継続中です。日本政府は、同環境許認可の無効が法的に確定した場合、同チレボン拡張計画が「相手国及び当該地方の政府等が定めた環境に関する法令の遵守」や「相手国政府等の環境許認可証明書の提出」を要件とするJBICおよびNEXIの環境社会ガイドラインに明確に違反することになるという点を十分心得ておくべきです。
インドラマユでは、地域住民が昨年から5回にわたりJICAに要請書を直接送付し、石炭火力発電所の拡張計画への強い反対を表明してきました。同書簡のなかで、住民らは漁業や農業など生計手段、また、健康への影響に対する懸念を繰り返し伝えてきました。このように、同拡張計画について、JICA環境社会ガイドラインで要件としている「社会的合意」が確保されていないことは明白です。
また、インドラマユ拡張計画に関する環境アセスメントや土地収用・補償措置において、インドネシア政府当局が適切かつ透明性のあるプロセスの確保を怠ってきたことが報告されています。
一例をあげると、すでに昨年12月から政府当局が地権者への補償金を支払っており、この3月にも同拡張計画の土地造成作業が開始される予定のようですが、土地収用・補償計画書や生計回復計画書は草稿版も最終版も完成しておらず、今日まで依然公開されていない状況です(3月中旬時点)。当局からの補償金を受領後、小作農家への作物に係る補償金を手渡す役割を割り当てられた地権者らが、通常、一切の文書提示や適切な説明を行なわないなか、小作農家は作物補償に対する意見を表明する機会も、ましてやその補償水準を知る機会すらも与えられていません。同様に、漁民や日雇い農業労働者が彼らの生計手段や収入機会の喪失に対する措置を知る機会も確保されていません。これは、「非自発的住民移転及び生計手段の喪失に係る対策の立案、実施、モニタリングにおける影響を受ける人々の適切な参加」や「住民移転計画の公開」を要件とするJICA環境社会ガイドラインの致命的な違反です。
上述したインドネシアにおける4つの事業はすべてジャワ島に位置しており、計画どおり実施されると合計6,000 MWの発電容量になります。一方で、ジャワ・バリ系統の電力予備率の余剰分はすでに32.34パーセントに達していると報告されています。ある政府の報告書では、現在、建設中のすべての発電所が完成すれば、2019年にはジャワ・バリ系統の電力予備率の余剰が63 パーセントに達しうると述べています。(注1) これは、インドネシア政府が経済成長率を過剰に見積もったため、電力需要が予測したほど伸びてきていないためです。したがって、これらの石炭火力発電事業が一義的に一般市民向けの発電であり、貧困層へのエネルギー・アクセスの解決に向けたものであるのか、また、より賢明な代替案の選択が可能ではないか、徹底した分析がなされるべきです。
インドネシアのコミュニティーは日本の融資する石炭火力事業のために、土地収奪や環境悪化、人権侵害、地域社会の分断の犠牲となり、すでに巨大すぎる苦難を強いられてきました。私たちは、日本政府が西ジャワ州のチレボンおよびインドラマユ石炭火力発電所への融資を早急に拒否するよう要求します。日本は石炭関連事業への融資を止め、地域の大気や水を汚染することなく、また、気候変動も助長することのない電気へのアクセスを増進するクリーンかつ持続可能な再生可能エネルギー計画に転換していくべきです。
(注1)https://www.djk.esdm.go.id/pdf/RUPTL/RUPTL%20PLN%202016-2025.pdf
Cc: 丸紅株式会社 代表取締役社長 國分 文也 様
株式会社JERA 代表取締役社長 垣見 祐二 様
伊藤忠商事株式会社 代表取締役社長 岡藤 正広 様
電源開発株式会社(J-POWER) 取締役社長 渡部 肇史 様
住友商事株式会社 取締役社長 中村 邦晴 様
関西電力株式会社 取締役社長 岩根 茂樹 様
株式会社みずほ銀行 取締役頭取 林 信秀 様
株式会社三井住友銀行 頭取兼最高執行役員 國部 毅 様
株式会社三菱東京UFJ銀行 頭取 小山田 隆 様
三井住友信託銀行株式会社 取締役社長 常陰 均 様
三菱UFJ信託銀行株式会社 取締役社長 池谷 幹男 様
農林中央金庫 代表理事理事長 河野 良雄 様
株式会社新生銀行 代表取締役社長 工藤 英之 様
韓国輸出入銀行 総裁 Lee Duk-Hoon 様
Mr. Philippe Brassac, Chief Executive Officer, Credit Agricole S.A.
クレディ・アグリコル銀行 東京支店 代表者 Antoine Sirgi 様
Mr. Ralph Hamers, CEO and chairman Executive Board, ING Group
アイエヌジーバンクN.V. 東京支店 代表者 Yuichi Hirasawa 様
Mr. Piyush Gupta, Chief Executive Officer, DBS Bank Ltd
DBS銀行東京支店 支店長 伊藤 広史 様
Mr Samuel N. Tsien, Group Chief Executive Officer, OCBC Bank Ltd
オーバーシー・チャイニーズ銀行東京支店 代表者 Bernard Lloyd Fernando 様
(以下、賛同団体署名)
【連絡先】
国際環境NGO FoE Japan
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9
Tel:03-6909-5983 Fax:03-6909-5986
>西ジャワ州チレボン石炭火力発電事業の詳細については、こちら
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