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日本の政府開発援助(ODA)
海外投融資の再開の検討に関する要請書を共同提出
2011年2月25日
昨年6月、JICAの海外投融資の再開を図ることが閣議決定されました(注1)。ODAで行う海外投融資は、過去の行政改革で一度廃止されたスキームであり、また、過去の海外投融資で様々な問題が指摘されてきたことから、再開の検討にあたっては、その是非も含めて徹底的に議論を行うべきであるとして、NGO5団体等で提言を行ってきました(注2)。
例えば、以下のような問題が指摘されてきました。
「貧困削減といった開発の目的を満たしていない」
「環境社会配慮上の問題がある」
「企業秘密を理由に他のODAスキームに比べ情報公開が限定されている」
「一部の業界・企業支援になっている」等
一方、再開に向けて、関係省及びJICAでは内部で検討を進めていますが、上述のような徹底的な議論のプロセスを欠いたまま、昨年12月「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」で、年度内にパイロットアプローチを実施することが決定しました(注3)。
そして、2月25日関係省及びJICAが主催する「意見交換会」(注4)が開催されました。しかし、これは、「再開決定後」の意見交換会であり、再開の是非を含めた徹底的な議論を行うことは難しく、私たちが望んでいたようなプロセスではありませんでした。
FoE Japanは他のNGOと共同で、意見交換会に先立ち、2月24日、総理大臣及び3大臣とJICAに対して、海外投融資の再開の検討に関する要請書を提出しました。
要請書本文はこちら
>海外投融資の再開の検討に関する要請書[PDF]
>別添1:海外投融資再開に関する意思決定プロセスに関する要請書[PDF]
また、JICAは2月18日、過去の海外投融資に関する評価(注5)及びそれを受けてのJICAの見解を公表しました(注6)。この評価について、JACSESと共同で提出した意見はこちらからご覧ください。
>海外投融資の評価に関する意見[PDF]
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注1:
「国際協力機構(JICA)の海外投融資については、既存の金融機関では対応できない、開発効果の高い案件に対応するため、過去の実施案件の成功例・失敗例等を十分研究・評価し、リスク審査・管理体制を構築した上で、再開を図る」『新成長戦略』平成22年6月18日
注2:>NGO5団体による『ODA を使った海外投融資再開に関する意思決定プロセスに関する要請書』
注3:
『パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合決定事項』平成22年12月10日
注4:>https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/annai/jica_ikenkoukankai.html
注5:>https://www.jica.go.jp/activities/schemes/finance_co/loan/after.html
注6:>https://www.jica.go.jp/activities/schemes/finance_co/loan/pdf/kenkyu.pdf